名作落語大全集

「今年最初のぢい散歩。調布の神代植物公園へ来ております」
「はい、もう３回目ですが、読者が飽きてますよ」
「いや、そんなことはあるまい」
「どうしてですか」
「新年を迎えたばかりなので、まだ秋（飽き）は来ないでしょう……おそまつ」
「本当にお粗末だね」
「さあ、今回は蘭をご紹介」
「はい」

「白いの」
「ほら……色しか説明できないんです」

「黄色いの」
「はい」

「紫の」
「きれいですねえ」

「藤色の」
「模様もありますねえ」

「これは何だか面白くて」
「あら、不思議な色ですね」

「さあ、表の噴水から温室を振り返って」
「周囲は省略ですね」

「さあ、バラ園を紹介」
「季節外れですよねえ」
「名残を感じるなあ。
♪庭の千草ぁぁの～」
「歌わなくていいの。何で庭の千草なんですか」
「原曲は夏の名残のバラというタイトルなのじゃ」
「あ、そうなんだ」

「これなんかいかにも名残のバラって雰囲気で」
「まあねえ」
「季節外れでも面白い」
「ううん、無理矢理のような気もするけれど……」
「では次回はいよいよ感動の最終回」
「期待しないよ」