カテゴリ:カテゴリ未分類
「京都の旅、三日目の午後は二つの本願寺さんへ」 「まずは西本願寺ですね」 「こちらは世界遺産。じっくり見るとさすがに見応えもある」 「はい、今日はパノラマ写真でおしまいですか」 「こちらが新撰組の駐屯所に使われた建物」 「これも毎度お馴染みのって感じ」 「さあ、すぐ近くにある風俗博物館へ行こう」 「ここはお久しぶりですね」 「人形で源氏物語の世界を再現してある。これは『若菜』の巻じゃな」 「へえ」 「男達が蹴鞠をしているが、光源氏は、着物が乱れたりして乱暴なスポーツではあるが、やはり見ていて面白いという評価をしている」 「はい」 「息子の夕霧と共に蹴鞠を見ているが、最後の妻である女三宮もはしたなく、のぞき見している」 「あ、左奥に女性が見えますね」 「この後飼っていた猫が御簾を引っ掛けて彼女の姿が男達にさらされる。それを見た柏木が彼女を慕うようになり、過ちにつながっていくのじゃ」 「へえ、名場面ですねえ」 「こちらは音楽を楽しむ様子。紅梅の奥に見える御簾内に光源氏はおいでになる」 「見えないんだ」 「肉眼でも、写真でもアップにすれば白い着物を着ているのが分かるぞ」 「へえ」 「双六を楽しむ様子。着物や髪の描写が見事」 「へえ」 「こちらは源氏の正妻であった葵の葬儀の様子」 「悲しみにくれる女性たちですね」 「喪服の男性などもあるが省略」 「はい、残念」 「こちらはその前の場面。出産の様子」 「一番奥が産屋になっているんですか」 「その他象徴的な場面が描かれていて、ストーリーを知らなくても、平安時代の一場面と思えば楽しめる」 「すごいですねえ」 「建物は六条院を再現している。源氏が建築して四季の庭をデザインしたが、これはもともと藤原道長の邸宅をモデルとしているという」 「へえ。そこに物語を再現する形で人形が置かれているのじゃ」 「なるほど」 「人形はもちろん、着物がすごいね。人間の着る物の端切れで作れそうじゃが、それでは柄が大きくなりすぎる。人形の大きさに合わせて織ることから始まるのだそうじゃ」 「大変だあ」 「今回は海外からおいでになった人達に着物を体験していただいた。ついでにわしも」 「光源氏ですか」 「いい男だからぴったりじゃな」 「はいはい」 「ということで、次回は東本願寺へ参りましょう」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.02.24 16:13:03
コメント(0) | コメントを書く |
|