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名作落語大全集

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2015.01.19
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カテゴリ:カテゴリ未分類
「パガニーニの作品を整理している」
「はい」
「3月で引退するので、そこから某社と契約し、パガニーニ作品の欠けている部分を補充することになった」
「へえ」
「因みに、第1回で未詳だった『愛の二重奏』も謎が解けた」
「良かったですね」
「ということで、M.S.番号で21からじゃが、説明の必要なものが並ぶので、25までにしよう」
「参りましょう」

M.S.21 ヴァイオリン協奏曲第1番 ホ長調(ニ長調)
 遺言により、死後すぐに1番2番が出版されたので、作品6、7となった。ソロ・デビューのために書いた作品で、当時としては超絶の技巧を駆使し、本人もなかなか完璧に演奏できない。父親が食事抜きで練習させたという。父親はこれが金になると見込んで、息子を大音楽家にして自分は遊んで暮らそうとしたのである。博打で相当使ったという……まあ、文句は言えない。パガニーニのほうも大変で、自分の楽器まで博打に取られて大変だったという事件もあったのだ。
 1811年、29歳で作曲したというが、正式の演奏記録の最も古いものが1819年3月29日のナポリであるため、もっと後の作曲だという説もある。調性に2種類あるのは、管弦楽がホ長調で演奏し、ヴァイオリンだけがニ長調の、スコルダトゥーラという技法を使っているため。これによりソロだけが際立っていい音に響く。現在はオーケストラもニ長調にしていることが多い。CDなどでウィルヘルミやクライスラーの編曲と注意書きがあるのはそのためである。

 第1楽章 アレグロ・マエストーソ ホ長調(ニ長調)
華やかな管弦楽が鳴り、美しいメロディを聞かせる序奏。実は歌劇の序曲に他ならない。観客の期待をふくらませてひと段落つくと、ソリストが現れ(パガニーニは序奏の時は舞台袖に隠れていたという)、まずは顔合わせと第1主題をもとにした華麗なテクニックを見せる。低音から高音まで3オクターブを行き来する早いパッセージを聞かせ、第2主題を美しく聞かせる。まさにオペラの世界を一人で演じているのである。
 展開部は全く新しいメロディで展開し、ありとあらゆるテクニックを見せ付ける。
 主調に戻って第2主題が再現される。パガニーニの場合、第1主題は展開部に飲み込まれる形で消えてしまい、再現部では登場しない。華麗なカデンツァを演奏して曲を閉じる。

 第2楽章 アダージョ ハ短調(ロ短調)
俳優マリーニの演技に影響された、「囚人の祈り」だという。そうなると、パガニーニがこの劇を見たのが1813年なので、それ以降の作品ということになる。また、それは2番の第2楽章だという説も。ドラマチックな管弦楽と、叙情的なソロの対比が美しい作品。シューマンはこの楽章について「パガニーニに天使の歌を聞いた」と書き残している。

 第3楽章 アレグロ・スピリトーソ ホ長調(ニ長調)
弓をはずませるスタッカート・ポランテを使用した主題。二重のハーモニックや様々な重音、細かい音符、左手のピチカート、パガニーニ運弓など、ありとあらゆるテクニックを見せ付ける。特に中間部で穏やかなメロディをハーモニックで聞かせるのはパガニーニのパターン。

 尚、パガニーニ運弓とは、半音階の一つ置きにスラーを付けたもので、ずれた音を二人で弾いているような音になる。
 ホ長調でメニューインのものを。ニ長調ではアッカルド、庄司紗矢香、クゼルコフなどの演奏を所有。やっぱりアッカルドのが定番。
 パガニーニの弟子であるシヴォリに教わったという唯一の直系というフランチェスカッティのものもあるが、正直いいとは思えない。第2楽章の美しいメロディをアッカルドは5分59秒で演奏しているが、フランチェスカッティは4分05秒。てきぱきとこなすだけのもので、情緒を忘れた演奏としか思えない。
 尚、パガニーニの息子のアキレには、娘しかおらず、直系はないということになっているが、この娘らが楽譜を隠し持っていて、死後130年、子孫に当たる姉妹が演奏していた曲に目がつけられ、パガニーニが日の目を見ることになる。(詳細は第3番M.S.50を参照)

M.S.22 ロッシーニの「シンデレラ」による序奏と変奏曲
 作品13として出版された3曲の2曲目。ロッシーニとは無二の親友で、オペラの練習の時は管弦楽の伴奏をヴァイオリン1本で手伝ったという。二人はカーニバルでは乞食の格好をして繰り出すが、病気でやせ細ったパガニーニとでっぷり太ったロッシーニのコンビは、それだけで人目をひいた。音の合わないヴァイオリンで、でぶがひどい歌を歌うと笑いが起こるが、途中からどんどん歌もヴァイオリンもうまくなり、最後は唖然とさせたという。そんな仲だから、主題を使った変奏曲はいくつもある訳だ。
 1817年の歌劇『シンデレラ』の終幕「もう悲しむことはない」が主題。ワルシャワで演奏されたかも知れない、というのは、演奏会に来たショパンが、同じ主題で変奏曲を書いているが、ショパンの変奏曲もパガニーニ・スタイルになってしまったから。
 アッカルドの演奏が見事。ミレンコヴィチのピアノ伴奏版も所有、出版されたのはこちら。

M.S.23 ロッシーニの「モーゼ」による幻想曲 ソナタ・ブレギエーラ(祈りのソナタ)
 正式のタイトルは「ロッシーニの『モーゼ』によるG線上の華麗な変奏曲」。作品13の1曲だが、これだけがG線1本で演奏する。前奏部分が「祈り」と呼ばれる。他のロッシーニ作品より前、1816年という説もあった。チェロでの演奏もよく聞く。音域が2オクターブなので、フルートでの演奏もある。
 ミレンコヴィチ、テレベシ&プランバウアーはギターへのアレンジ。ヨーヨー・マはチェロで……その他多数所有。

M.S.24 ポプリ 未詳

M.S.25 24の奇想曲 カプリース カプリッチョ
 生前に出版された室内楽以外の唯一の作品。技術を盗まれないためにか、難しい技巧は使われていないという。最後の24番「主題と変奏」がやや長いが、おおよそ3分前後で演奏できる小品集。
 9番の「狩り」は有名。13番は半音階を使う独特の雰囲気で「悪魔の微笑」と呼ばれる。パガニーニはこれをよくアンコールで演奏していたという。24番の「主題と変奏」はおそらく最も有名な作品で、リスト、ブラームス、ヨハン・シュトラウス1世、ラフマニノフからミュージカルでお馴染みのロイド・ウェッバーまで、私の収集したものだけでも30人以上のアレンジがある。シューマンは作品3と10で半分の12曲をピアノで演奏しているが、主題と変奏は後で使うつもりだったのか、書き上げていない。
 パールマンのレコードが、一つ一つでなく、全体を一つの作品であるかのように演奏していたのが印象的。途中で弦が切れているのが分かるが勢いがあってそのまま演奏している。カラー、クゼルコフ、ミレンコヴィチ、その他多数。シューマンが付けたピアノ伴奏で演奏しているのがギャレットだが、なぜか24番だけは原曲。チェロ、フルート、クラリネット、サックスなどの編曲も多く演奏されている。ロックの名手がエレキギターで演奏したものも。





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Last updated  2015.01.20 19:55:27
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