名作落語大全集

「さあ、ＯＫ散歩は銀座へ参りました」
「クリエイションギャラリーの新人賞展」
「ピンクの部屋ですね」

「こちらはお菓子によるジグソーパズル」
「面白いですねえ」

「三越の型染展」
「ほう」

「今回一番のお勧めは、シャネルのタカとユキの冒険旅行。マンガで世界あちこちへ行けるよ」
「楽しそうですねえ」
「７月20日までじゃから、まだやっているぞ」
「はい、皆様お出掛け下さい」

「続いてはポーラのＨＩＧＡＳＨＩＹＡ展」
「これは……」
「羊羹じゃ」
「和菓子ですか」
「干菓子屋展じゃもの」
「あ、そうか」

「こうして見ると……」

「和菓子は芸術品じゃな」
「はい」

「包み紙や箱までが作品として鑑賞できるのじゃ」
「素晴らしいですね」

「柴田悦子画廊の金箔画の愉しみ展」
「ここはお馴染みですが……箔画って……金箔ですか」
「そう。谷崎潤一郎の『陰影礼賛』でも、食事場所が明るくなってしまったと嘆いているなあ。金箔も、明るい照明の下では安っぽく見える」
「なるほど」

「そこで、照明を消して、蝋燭で鑑賞する」
「あ……」
「世界が変わる。蝋燭の頼りない光を受けて金箔がほのかに輝く。右端では葉の裏が光り、奥行きまで感じさせる」
「すごいですねえ」
「ということで、記者の方と画廊の方と、冷酒を味わいながらの鑑賞。３人で１升空けてしまった」
「何をしに来ているんですか」
「お酒を飲みに……」
「しょうがないね」

「隣の朋ぎゃらりーへ行ったら、こちらも金」
「おお……迫力ですね」
「ＳＦ的じゃな。松本慎吾日本画展」
「なるほど」
「ということで、美術館や画廊、全部で２３カ所を回ったうち、一部だけをご紹介しました」
「はい」
「歩いたのは万歩計で２００００歩、１６．８キロと出ている」
「久しぶりによく歩きましたね」
「新橋から東京駅までの画廊めぐりが長かったな」
「はい」
「使ったお金。メトロ一日券が６００円、木戸銭が６００円。昼食が３７０円」
「安上がりですこと」
「ということで読み終わりと致します」