名作落語大全集

「さあ、ＯＫ散歩、家内が同行する場合は必ず何か起こります」
「何が起こりました」
「この１車線しかない、東京ドイツ村へ入る道で交通事故」
「ええっ」
「イルミネーションを見るのに、５時過ぎには入場する予定だったのじゃが、この影響で、わずか４キロ半を２時間１０分掛かった」
「歩いた方が早いですね」
「７時半までに入園して、閉演は８時」
「て、入園がぎりぎりですか」
「手前で諦めて引き返した車も多かったが、そっちが正解だったかな」
「あらら」

「そういうことで、我が家に戻る予定の時刻にやっと到着」
「３０分しかありませんよ」
「閉演時間を１時間遅らせることで交渉成立」
「係りの人達は大変じゃないですか」
「わしゃ知らん」
「いい加減なんだから」

「問題は、千葉にあっても東京ドイツ村とはこれいかに」
「知りません」

「昔、千葉と埼玉どっちが都会かという論争があったそうじゃ」
「へえ」

「わしの結論、どっちが都会かを争うという時点でどっちも田舎」
「じゃあ、どっちが田舎かを争ったら」
「両方とも田舎ってはっきり分かるじゃないか」
「あれ……」

「千葉が田舎という証明のひとつが、何でも東京を付ける。東京国際空港、東京ディズニーランド、東京ドイツ村」
「はいはい」

「まあ、そんなことを言いながら」

「イルミネーションの中をボソボソ歩く」
「変なの」

「こちらは関東最大のイルミネーション」
「へえ、電球の数はいくつです」
「うう……いっぱい」

「２５０万個、昨年より５０万球増えているんですよ」
「です」
「しょうがないね」

「売店もあって、ちょうどイルミネーションによる歌と踊りが始まった」
「へえ」

「これが全景。今年のテーマはおもちゃ箱だろうじゃ」
「すごいですねえ」

「記念撮影」
「はい」

「最後に光のトンネルを抜ける」
「いいですねえ」

「これがトンネル全景」
「はい」
「ということで、今回のＯＫ散歩は以上」
「大変でした」
「歩いたのは万歩計で１１１１１歩、１１．１キロと出ている」
「１尽くしですね」
「お金は全てタダ」
「はい、食事はスポンサーのご厚意で……って、夕食もですか」
「遅くなった責任を追及したらおごってくれた」
「迷惑だね」
「ということでＯＫ散歩第６３回、これをもって読み終わりと致します」