名作落語大全集

「さて、選挙が終わって、アベは経済対策と憲法改正について早くまとめるよう命令をした」
「早いね」
「選挙の結果、東北で自民党が勝利したのは１県のみ」
「当然ですね」
「例の復興の大臣が、放射線なんか関係ないから、どんどん避難区域を解除するって言った」
「本当にやってますね」
「今週も１万人が解除された。実際に戻る準備をしているのが２千人、戻るだろうと思われるのが２千人、それ以外も、避難のお金は払われなくなる」
「いいんですかねえ」
「まあ、震災当時、東北の人々が大変なんですよって言われて、そんなこと知ったこっちゃないと言ったから、スタンスは変わっていない」
「はい」
「ともかくオリンピックまでには避難区域をなくすことが目標じゃない、決定事項じゃからな」
「まあ、とにかく、最近の復興の動きが東北の人々にはカチンと来た訳です」
「もう一つ、象徴的だったのが沖縄。地元出身で３期目か、現役の沖縄担当大臣が落選した」
「はい」
「自民党では、テロ対策をすぐに始めると今日発表した」
「どういうことです」
「沖縄では、基地反対などのデモがあると、各地の警察官まで動員されて警備が大変だった」
「はい」
「それで、テロ防止の一環として、事前に集会その他、過激な行動を取ろうとする準備段階で首謀者を逮捕できるようにしたわけじゃ」
「それを沖縄の基地反対に適用するんですか。おかしいでしょう」
「そういう噂があったから、立候補者も、応援に来た幹部やアベも、沖縄の活動に適用することはありえません、約束しますと言っていた」
「あれ……じゃあ、どうして……」
「ほら、この候補者が落ちたじゃないか。あれはその人の公約であって、党としての約束ではない。だからだましたのでも、嘘を言ったのでもない」
「何か報復とか嫌がらせというのを感じますね」
「自民のいない県は、国会に県民の声は届かなくなるぞと言いたいのじゃろうか……まさか、本気で弾圧もしないじゃろうが、アベならやりかねない。しっかり見守っていかないと……」
「はい、でも……」
「うん、何かあるのか」
「今までの活動でそういう政権だと分かっているのに選ばれたんですから」
「ああ、そうじゃな。国民がその道を選んだのじゃから、わしがこんなことを言っても始まらないか。でも見守るのは大事じゃぞ」
「はいはい」