テーマ:謎を解く(186)
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「運命の構成、第1楽章の最後に何が起こるか」
「どうぞ」 ベートーヴェン:10「運命の構成:第2楽章」 第1楽章の最後、実はこれまでの主題の変化なのだが、全く新しい力強いメロディで盛り上がると四つの音符が現れ、同じ音の連打になる。そのまま四つの音符が二度繰り返される。またしても再現部が始まるのか……唖然として聞いていると、同じように四つの音符を上へ上へと重ねるが、力がない。どうしたのかと思うと、突然力強く四つの音符が鳴り、曲を終える。 ううん、ソナタ形式と言いながら、最初から最後まで意外性の連続なのである。それがあっても、ソナタ形式ってこんなのだよっていう形を知るテキストとしては悪くない。 クラシックの入門と言ったが、少し聞き慣れると、「運命は俗でいけない」と少し難しいものに向かう。難しい曲を聞いていると、その構成・展開の素晴らしさに気付く。その上で再び「運命」ファンになったという人は本物のクラシック通になったと言えるだろう。一方難しい曲は分からない曲だというので形式を考えないようにする。クラシックはその二つの方向に分かれた。前者はブラームス派で、後者はワーグナー派ということになる。 動機からどのようにメロディを作り、どう構成・展開していくかというのを楽しむのがブラームス派。一方ワーグナーは楽劇の中で同じメロディでも喜びや悲しみという感情が表せるので、形式や構成なんか考える必要はない、その場で鳴っている音を聞いていれば理解できるというのだ。しかし、ワーグナーの結婚行進曲を本当の結婚式で使ったりする人も多く、本当に音楽を聴いただけで理解できているのかは疑問がある。 ここまでの曲の解説を書いていることから、私は明らかにブラームス派なのだろう。それはともかく、一つのテーマがどう変化するかが面白いというのは間違いない。現代音楽も面白いが、こんな曲の構成を解説しても仕方がない。しかし、現代音楽でもやはりテーマが変化するのが面白いのだ。 ともかく、「運命」の本当の面白さはブラームス派の聴き方をして分かるのだということである。 第2楽章 Andante con moto 変ロ長調 8分の3拍子 ベートーヴェンお得意の自由な変奏曲。 主題(1小節から)。「ソドミ」から始まる細かいが落ち着いた旋律が始まる。最後の「ドミソー」という分散和音が印象的。木管がこれを受けて下がる音を続ける。弦が続いて下がる音型を続けるが、最後に「タタタタン」という運命音型が鳴る。これを繰り返すと同じ音で運命音型を続ける。 副主題(23)。上昇していく行進曲風なメロディとなり、力強く繰り返される。伴奏の三連符が細かい。落ち着くと息の長い音階が続いてぷつっと切れる。力強い部分はハ長調の分散和音が出るので、フィナーレにつながっているのだが、ここではまだ分からない。 変奏1(50)。16分音符で演奏される。木管に移ると変奏をやめて元の通りに繰り返される。 副主題(72)。伴奏は32分音符で前より細かいが、やることは変わらない。 変奏2(99)32分音符で演奏される。木管に移らずに突き進み、低弦で繰り返される時には、他の全員が同じ音を叩き続ける伴奏で支える。上昇する音型が出てフェルマータで途切れる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.07.30 09:02:27
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