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ベルリオーズ:13「幻想交響曲の分析:第5楽章」
第5楽章「ワルプルギスの夜の夢」 「若い芸術家は、夢のなかで魔女の饗宴に列席する。妖怪たちは、彼を弔うために集まってくる。怪しげな鳥の声、嘆息、ゲラゲラ笑い。と、そのとき、固定観念があらわれるが、それはかつての気品を失い、グロテスクで軽薄な舞曲となっている。いとしい恋人は、魔女となって饗宴の席に着く。歓迎の叫び、弔鐘。『怒りの日』の道化じみた賛歌、魔女のロンド、そしてこの『怒りの日』とロンドが同時に奏されて熱狂的になる。」 導入部:ラルゲット 4分の4拍子 1~:弱音器つきの弦のトレモロが、不協和音で怪しい雰囲気を出し、木管楽器に不気味な鳥の声が描写される。冒頭部は2部のヴァイオリンがそれぞれ3部に分かれ、ヴィオラも2部になる。これが繰り返されるが、全く同じものは登場しない。この楽章では、同じような展開があるものの、全く新しい曲になっているのだ。 アレグロ 8分の6拍子 21~:クラリネットに恋人の主題が現れるが、テキストにあるように、これまでの気品を失って、軽薄に踊る。 アレグロ・アッサイ 4分の4拍子 29~:彼女を待ちわびたような妖怪どもの雄たけび。 アレグロ 変ホ長調 8分の6拍子 40~:再び軽率な恋人が踊り始める。次第に伴奏の細かい動きが充実して、クライマックスを迎える。下降する音型でおさまると、2分の2拍子を1小節だけはさんで、 82~:8分の6拍子で、上昇する音になり、魔女のロンドの冒頭が暗示される。すぐに静まって、下降する音型で沈んで行く。 ロンティーノ ハ短調 8分の6拍子 102~:教会の鐘が不気味に鳴り響く。弦が魔女のロンドの冒頭で応じるが、進まない。 127~:グレゴリオ聖歌にある「怒りの日」が鳴り、鐘との不協和音になる。 この「怒りの日」も半分の速さになり、 6拍子になり、 どんどん軽率になって行く。3度にわたって「怒りの日」が発展。 222~:魔女のロンドの主題がまた始まる。今度こそ盛り上がって、いよいよ魔女の饗宴が始まる。 魔女のロンド ハ長調 8分の6拍子 241~:やっと低弦がロンド主題を始める。 8小節ごとに、第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリンとファゴットとフーガとして受け継がれていく。 305~:「運命」主題のようなファンファーレに乗って、魔女だろうか、怪しい物が下降する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.12.02 19:49:34
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