母2
実家にいたときの話。ある日、ステーキが食卓に出るときがありました。うちではステーキには、ゆで玉子が付けあわせで出ます。しかし、その日はゆで玉子がありません。「あれ?玉子は」「今持ってくる」母は台所に行き、一枚の皿を持ってきました。その上には温かそうなゆで玉子が丸々乗っていました。「いやっほう」僕は玉子にめっぽう弱いのでここぞとばかりに噛み付きました。ボズン!鈍い音がしたのはその時です。何が起こったのでしょう。僕の口の中が焼けるように熱い!食卓の周りには黄色い粒と白い粒が飛び散って。ええ。うちの母は冷めた玉子を温めなおすのに、電子レンジを使用したのです。最近では玉子をレンジで温めると爆発するというのはテレビなどで有名ですが、当時(10年前)はあまり知られていませんでした。その後、大爆笑している母と焼けただれた口の僕は、おいしくステーキを食べました。血の味がしました。