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2006年03月17日
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カテゴリ:子どものこと
離婚して、子どもに会いたいのに会えない父親たちが大勢いるということを、みなさんどこまで御存知でしょう。

ここに「離婚家庭の面接交渉実態調査」という本があるのですが、それによりますと、
離婚するとき、面接交渉のとりきめをした人は334人中195人。
半数以上が面接の予定を持っていた、つまり離婚後も子どもを会わせるつもり、会うつもりがあったことになります。


しかし離婚後面接交渉を実際に行っていますかという問いかけには、
定期的に行っているのは334人中わずか67人。
不定期ながら行っているのが82人。
合計149人しか面接をしていないのです。

195ー149=46人。
この46人というのは、いったいどうしちゃったのでしょう。
転居などで会うに会えなくなってる場合もあるでしょうけれど、
なんらかのトラブルで会いたいのに会えない人も含まれているに違いないのです。
少し淋しい数字ですよね。


「あるきかたがただしくない」というエッセイを出した枡野浩一さんは、
歌人であり、評論家であり、近ごろはケータイ小説も書き、トークが最高に面白い、というマルチなおかた。

で、枡野さんは、その46人のような状況にいらっしゃるわけです。
離婚するときに「月に1度3時間子どもに会う」ことを条件に、印を押したのですが、元奥様から連絡がこなくなってしまい、お子さんと会えないままのつらい日々を過ごされています。


今まで、こうした「子どもに会いたい!」という気持ちを、さらけ出したエッセイは、なかったのではないでしょうか。人によっては枡野さんのことを、稀有な存在だと感じるかもしれません。枡野さんはどこまでも正直で、子どもに会いたくて会いたくて、こっそり物陰からお子さんの様子を見守ってしまったことまで、エッセイに書いてしまっています。

私のまわりにも子どもに会いたいのに会えない男性がいました。
その人は、実は、子どもを山奥に、連れ去ってしまいました。
これは犯罪行為なので、詳細を書くことは差し控えさせていただきますが、
その人の苦しみを見ていた私は、いったい、罪ってなんだろう、と思ったのです。
離婚後に子どもに会わせるという約束を守らなかったということ。
それは、現状の法律では処分しようがない、ある意味「口約束」程度のものでしかないようなのです。つまり、子どもに会う会わせないは母親がきめることであって、子どもに会わせてもらえない父親というのは泣き寝入りするしかない現状が、ここにあるのです。

再婚して新しい嫁さんをもらえばいい。そしてまた子どもをつくればいい。
枡野さんはどうやら何度もそういうことを周囲に言われたようです。
でもそれって一種の男女差別的な発言だと私もそれは感じます。

男の人に今まで私達はさんざん「家事・育児に協力してほしい」と要求してきました。そしてやっと近頃、積極的に子育てを楽しむ父親が増えてきています。
枡野さんも枡野さんなりに、夜泣きをあやしたり、散歩に連れ出したりと、かなり長い間赤ちゃんを育てて来られたのですから、お子さんに対する愛情は、今までの一般日本人男性よりもかなり強いはずで、ある種の「母性」に近いものを抱いているのです。

だから月に一度の面会を楽しみにしていて、たった1度でも濃密な親子関係を築こうと楽しみにしていたところ、突然音信不通になってしまったとのこと。
愛するお子さんと引き裂かれた哀しみ。
それはどのようなものか、週刊朝日に1年間に渡って連載されたこのエッセイにずっと、延々と、綴られています。映画の感想を、本の感想を書いているはずが、なぜか最後の締めは「ところで子どもに会いたいです。」と終わっているのです。


この本は、離婚を経験した人にはもちろんですけれど、
現在子育て中の人にもぜひ読んでいただきたいのです。
きっと、知らず知らずのうちに自分の結婚生活のことを振り返り、いろいろと考えてしまうと思うからです。目の前に子どもがいる幸せ。それを改めて感じてしまうはずです。一緒に寝起きするのは当たり前のことだし、時にはうるさくてウザくてこなまいきな子どもたち。だけど、その当たり前の感覚を得たいのに得ることができないという人が、いるということ・・・。


枡野さんにつられて、ちょこっとだけ、私も自分の実情を書かせていただくと、
私のモトダンには新しい家族ができて、その新しいパートナーさんが「以前の奥さんとの子どもとは絶縁したほうがいい」という考えの持ち主ゆえに、面会数が激減し、うちの子どもたちは、今後いつ父親に会えるかわからないような状況です。養育費もあちらの一存で、減額されてしまいました。(あ、ちなみに周囲の人が「たったそれだけしかもらってないのか!」と驚くような額しか受け取っていなかったんですが・・・)


子どもに会いたい枡野さんのような人もいれば、
父親に会いたいうちの子供たちのような存在もいます。

ここにはっきりわかるのは「子どもの人権」の完全なる無視です。

子どもにも会いたい人に会う権利があるわけで、それを親の勝手にはできないんです。

はっきり言えば私はモトダンには会いたいとは思っていません。でも子供達は父親が好きなので、会わせることを、子供達の意志ではないところから封じられることについては、どうしても母親として納得できないのです。

面会することは正直、人間と人間が顔を合わせることなのだから、
書類で取り決めすることではないんです。

書類で決められてるから、と、渋々面会するような父親だったら、最低ですもんね。

でも会いたい、と「双方」が願っているのだったら、それを私達は阻んではいけない。それは、人権侵害だと思います。

枡野さんのお子さんはまだ小さいので、意志がどこまであるのかはわからないです。でも、パパに会いたいとお子さんが思ったり、その希望を口にしたとしたら、私も人の親として、どうか会わせてあげていただきたいなあ、と、そう願ってやみません。


そして現在の日本の法律では、父親や子どもにとって不利なこともとても多いし、とくに面接交渉の決め事に対するペナルティがないのはやはりおかしいのです。早急な法改正を私も願っています。



枡野さん(≧∇≦)。。。ながったらしいレビューですみません。
あんなにあんなにお子さんを愛していて、枡野さんは本当に立派です!!!

離婚家庭の面接交渉実態調査


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最終更新日  2006年03月17日 13時29分24秒
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