カテゴリ:テレビ番組作品
夏になると日本のテレビでは、
戦争を扱ったドラマが放送されます。 その中で二つの番組を紹介させていただこうと思います。 一つは2003年の夏に放送、翌年の再放送、 そしてDVDでもたくさんの方がご覧になった作品。 もうひとつは、1982年に放送された 山田太一さんの原作、脚本の作品です。 『さとうきび畑の唄』は、 2003年9月28日に放送されました。 第2次世界大戦で唯一、住民を巻き込んだ沖縄戦が舞台。 明石家さんまの平山幸一は「あて書き」と思われるほどのはまり役。 爆撃や銃弾の飛び交う中でいつもニコニコしていて、 その笑顔を家族や回りの人に惜しみなく振りまいていました。 沖縄戦はその前哨戦としての爆撃もありましたが、 1945年の3月下旬から8月まで5ヶ月ほどの期間に、 兵隊だけで1日千人の死者があったと資料にありました。 しかもこの戦いで亡くなられた方の数は 軍人よりも民間人の方が多かったのです。 魅力的は俳優が一堂に集い、 ドラマには不思議なにぎやかさが。 彼らの魅力があってこそ沖縄戦のエピソードが、 より強く深く浮き彫りにされているように見えました。 狭苦しい防空壕で肩を寄せ合う家族、 軍人たちが民間人を追い払おうとしたこと。 英語を教える教師への不当な仕打ちや、 年端のいかない少年や老人をも 徴兵しなければならなかった戦争末期の現状、 若い女性たちの投身自殺もそうです。 戦場=生活の場所だったのです。 『終りに見た街』は 1982年の8月16日に放送されました。 この作品も家族の物語ですが、結末が衝撃的で、 ネットで検索すると多くの方の記憶に残っているようでした。 現代の東京に住む家族が、一戸建ての家ごと、 第2次世界大戦へタイムスリップしてしまいます。 細川俊之演じる父親が機知に富み、 家族を守りながらその時代を生き抜いていきます。 敗戦を知る家族でしたが、時代に適応する者、 時代と戦おうとする者それぞれ。 だが結末は。 「歴史と違う!」 そう言ったのは父親でした。東京タワー。 現代に戻ったか?と思います。 だが家族は爆撃に。 核爆弾。 戦争はずっと続いていたのです。 魅力的な俳優や、SFを持ち込んだ設定は、 戦争を語るにはリアリティに欠けるかも知れません。 だが二つの秀作は戦争を伝えてくれました。 戦争は戦場にだけあるのではなく 生活にも関わっているのだと、 そして戦争がなくならない限り、 果てにあるのは何もない世界なのだと。 -------- 2004年11月の日本のテレビには、 イラク中部ファルージャでの戦争が報道されていました。 記録しておきます。 ★資料です。 さとうきび畑の唄 沖縄戦 終りに見た街--TV「終りに見た街」の詳細情報 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.11.10 02:06:43
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