薩摩街道ウォークから2週間。
旅の状況など思い出している。
街道のそこここに地元の教育委員会などが道標を設置してくれているのはありがたかった。
中にはちょっと引っ掛かるものもある。
薩摩街道は熊本から北の道を豊前街道と呼ぶ。
とある坂の入り口を小さな川が横切っていて短い橋がかかっていた。
橋を渡り坂道にかかる道端に「めくらおとし」の標柱が立っていた。
説明文が添えてある。
「約2mの小川に架かった丸太橋から目の不自由な方が転落したことから『めくらおとし』の難所と言われていた。この呼び名は不適切な表現だが、ここでは歴史的用語としてそのまま用いている」
ちょっとした言葉尻をとらえて、とことんまで追い詰める、そんな世だから
めくらを「目の不自由な」「方」と持ち上げておけば、面倒なことに巻き込まれることはないだろう
という小賢しさが見え見えの文章である。
そこまで気を使うくらいなら標示をやめておいた方がかえってスッキリするというもの。