南風一の世界

　　　４０年が過ぎて　　　　南風一

毎日プラットフォームや電車の中で
おしゃべりを聞いたり
他愛ない仕草を見ていただけ

３６５日
　　　　　　７３０日
　　　　　　　　　　　　１，0９５日　・・・
目にしたところで
見知らぬ他人同士が
おしゃべりし合う友人や部活仲間に変化するわけではない

何を勘違いしていたのだろう？
俺は毎日会っていれば
恋人同士になれるものと信じていた

馬鹿な１８歳の男
何を勘違いしていたのだろう？
また彼女が人生を賭けるほど唯一の恋人だったか？
と問えば
彼女側がそうでなかったように
俺にとってもそうでなかったと早く気付いていれば
良かった

異性に恋するというのも
ほどほどにして
もっと取り組んでおくべきことは確かにあった
貴重な時間を馬鹿な煩悶に費やしてしまって
もっと違った学生生活を送れるチャンスはあっただろうに

俺は先生や親、少ない友人たちの皆を欺いていた
もっと心底から共感したり
時間を共有することが出来たはずなのに
詰まらない恋に貴重な時間を浪費してしまった

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