国分寺 南風一
国分寺と名の付く土地はたくさんある
何処の国分寺も天平時代の聖武天皇の詔に基づいて
造営されたものだ
これらのことは学校の歴史で教わるから
大抵の人は知っている
さてその国分寺のことだが
今日学習を兼ねて近くの国史跡国分寺跡の資料館を訪ねた
さすが国史跡指定を受けているだけあって
展示物やビデオ上映はよく工夫されていた
各地の国分寺史跡がある自治体との交流もあって
なかなか盛んな活動もあると感心した
小一時間ほどビデオ上映を見たり
聖武天皇の詔を読んで
また展示の資料や模型を観賞した
１３００年の時を経て感心したものだが
「さて、何か物足りないなあ」と疑問が残った
それは「なぜ国分寺が遺構となったのか？」ということだった
宗教ならば宗派として残ってもよさそうなものだが
宗教ではなかったということか？
それなら国家役所か？
国分寺が担った役割を考えなければならない
壮麗な大伽藍や僧房を作って
何を担わせたのだろう？
天皇の力の及ばない天変地異を鎮めるためか？
なかなか壮麗な夢ではある
現代の政府は聖武天皇が抱いたような夢は持っていまい
「国民生活よ安らかなれ」とは
夢にも思わないだろう
付き合いにくいアメリカには違いないけれど
日本が生きていくために仕方ないと
車の販売台数を減らさないために農産物をどれだけ購入するか
くらいしか頭を悩ませることがない
財政赤字が１千兆円を超えようが
年金財政が持続的でなかろうが
そんなことは気にもしない
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