祖母と孫
祖母と孫 南風一東北の被災地で80歳のおばあちゃんと16歳の孫が流された家の二階から9日ぶりに救出されたというニュースを見たこの奇跡は祖母と孫という取り合わせが預かって力があったものと想像するそういえば俺が小学生の頃春になれば祖母が小川の土手で摘んできた蓬をすり込んだ餅を作って持参してくれたことを想い出す片田舎の町では外食するのは珍しかったから俺は子どもながらに外に連れ出されて外食することに慣れていなかった「何食べる?」と訊ねられても何が美味いのか分からなかったから訊ねる大人に任せておくのが一番だと思い込んでいた祖母はそんなとき「何でもいいというのが一番困る返答だ。 これを食べたいとはっきり言うのが一番良い返答だ」と言うのだった私は子どもながらに目から鱗の心境だった「そうか一番食べたいものを言ってもいいんだ。 分からなくてもこれが食べたいとはっきり言うのが 一番ありがたい返答なんだ」それ以来 外で食べるときは私は率先して最初に注文を決めるようになった (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング