misty247

2006/06/26(月)16:13

大普賢岳 その1

 169号線を南下。まだ建設後間もないと思わしき明るく広いトンネルをいくつか通り抜けどんどん高度を上げる。  今日(6/17)登るのは奈良県南部大峰の名峰大普賢岳だ。西日本に2000mを越す山はない。しかし1700mを超える山は多く、それらはいずれもガイドブックの中で横綱の貫禄である。1700mの山は1000mの山の1.7倍しんどいと単純に考えてしまいがちだが、実際そうはならない。高い山は登山口も高い所にあることが多く、そのために、歩く高低差で見ると1700mの山も1000mの山もたいして変わらなくなるのだ。  せっかく標高がある山へ来たのだから、低山では経験できない長距離の急登に挑みたいと私は願う。なのに車でぐんぐん登ってしまうと、高い登山口から低山に登るのと同じになる。走りながら横を見れば、谷を挟んで向かいの悠々たる山の頂と同じ高さである。車が上るほど私の気分は沈んで暗くなったが、新しいトンネルの後にくる古い新伯母峯(おばみね)トンネルに突入すると、更なる暗さにうろたえて、案の定出口すぐ右の和佐又を通り過ぎて「あっ、今のや!」とUターン。  大普賢岳は標高1779m。登山口の和佐山ヒュッテ(Hutteはドイツ語で山小屋)の位置は1140m。もう三分の二近くまで来ていることになるが、日帰りで登りたい、舗装路は歩きたくない、できれば国見・七曜岳の周回コースをとりたいと、こちらも欲満載の身だからこの辺りが妥当なのだろう。  朝の9時ぐらいで車は他に7台ほどあったろうか。この山で、この時期で、土曜であることを考えると空いている気がする。ヒュッテの人が広場の奥を指差し「幻の花、大山蓮華を見て行ってね」と教えてくれた。大峰山脈の名花でガイドブックに必ず載る花だ。もう終わりやけどとことわっておられたが見ると蕾みも多かった。確かに開いているのはみな朽ちかけている。ちょうど満開なのが不思議と一輪も見当たらない。ぱっと見、百は咲いていたが、せっかくの清楚な白が茶色くくすんでいたり、或いは他の花と区別できない蕾みの状態であったりと、どれも被写体に適さないものばかりだった。幻とはそういう意味だったのかと思いながら、高いところにまだ綺麗な花をようやく見つけ、手を伸ばしてカメラにおさめる。 <つづく> ▲幻の花、大山蓮華は大峰の名花

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