720922 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

まいじー日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

2015.08.09
XML
カテゴリ:アメリカ国内旅行


モノレイクはヨセミテを西から東に横断するハイウェイ120号が東シエラを縦断するハイウェイ395号にぶつかるところにある。湖の表面積はサンフランシスコ市1.5個分にあたる182.7平方Kmと割と大きめ。ごつごつした山を背景に、乾燥&荒涼とした高原地帯の砂漠の中にぽっかりと薄青い空を映した湖が広がる光景は、人里離れしすぎていて地球上の景色っぽくないほど。

モノレイクがすごいのはなんといってもその古さで、76万年~100万年前(300万年前という説も)に形成されたといわれ、北アメリカ最古の湖なんだそう。シエラネバダ山脈の降雪が雪解け水になって流れ込んでくるんだけど、アウトレット(湖から流れ出る川)がないので水分の出口は蒸発だけ。なのでミネラル濃度が高く、PH10とアルカリ性。塩分濃度は海水の3倍で、死海の海水の9倍ほどではないものの、泳ぐとかなり体が浮くらしい。水着を持ってこなくて後悔!

モノレイクの名物といえば、なんといっても「トゥファ」と呼ばれる石灰岩の奇岩。湖底から湧き出す真水に含まれるカルシウムと湖水に豊富に含まれる炭素が結合・蓄積してできた岩の塔で、湧き水の水脈に沿ったエリアにこれでもかとばかりにニョキニョキと乱立し、眩しい陽光を照り返し、鏡のような湖面に映る様子はまさに異世界の眺め。

モノレイクはずーーーっと私の「カリフォルニア行きたい場所リスト」のトップに載っていて、なので今回の訪問は私の中ではこの旅行のハイライトに既に決定!というくらい嬉しくて楽しみにしてた。

せっかくの訪問なので、ただ歩くだけじゃなく水の上からも見たい!ということで、予約していたカヌーツアーに参加。地元の保存委員会がやっているツアーで、ネイチャーガイドの歴史や生態系などの説明を聞きながら、湖水の側からトゥファを眺めることができる。





びっくりするのは海水の3倍という塩分濃度の中でも生物がいるってこと。湖面には「ブラインシュリンプ」という5ミリくらいの小さいエビがあちこちにかたまって少しずつ泳いでいる。湖岸に集まっている「アルカリフライ」という黒くて小さいハエは呼吸のための空気を抱いて湖にもぐるという驚異のハエ。どちらも湖の藻類を食料にしているという。

そしてモノレイクを重要な拠点にしている大量の渡り鳥。モノレイクではアラスカから南アメリカまでを行動範囲とする100種類以上の渡り鳥が観測できるそうで、湖に浮かぶ2つの島はカリフォルニアカモメその他の重要な営巣地になっているそう。湖の中に孤立しているトゥファのてっぺんには猛禽のミサゴが巣をかけていたりもする。

日によっては風が吹き荒れて波が高くなることもあるそうだけど、私たちがカヌーに乗っている間は湖面は凪いでいて鏡のようだった。青い湖面に映る白いトゥファの幻想的な光景を堪能したよ。



カヌーツアーの後は少しピコをビーチで遊ばせてからまたトゥファが乱立するエリアへ。ネイチャーガイドさん率いるウォーキングツアーに参加しかけたけど、説明がカヌーツアーとかなりかぶるので自分たちで散策することに。

間近に囲まれて見るトゥファは湖面から見るのとまた一味違った迫力があった。背景の湖面や空の青さとセージやラビットブラッシュの茂みの緑が白っぽいトゥファを鮮やかに浮き上がらせてて。夕方にトゥファがピンク色に染まる光景が幻想的ならしいけど、昼の陽光に晒された姿もすばらしいです。



トゥファは水中でしか造られないので、今露出して見えているトゥファも昔は湖の中に沈んでいたということ。内陸の塩湖といえば、アラル海が消失したり、死海がどんどん縮んでいたり、人の営みによる環境変化の影響を受けやすいもの。モノレイクも例に漏れず、10mとかの単位で湖面が低下してしまっているということが実感される。

ただモノレイクがアラル海などと違うのは、現在は湖面の低下がある程度コントロールされて生態系が維持されているということ。20世紀の初めにロサンゼルス市がモノレイクから南のオーエンズバレー一帯の水の管理権を買い占め、水路を建設してモノ盆地からオーウェンズ谷一帯の雪解け水が全部LA側に流れるようにしてしまい、その結果モノレイクの湖面が致命的なレベルまで下がったことがあったんだけど、地元団体が訴訟した結果、生態系の維持に必要な水量を東側に残さなければいけないという判決がくだったのだそう。

同じ東シエラの湖でもオーエンズ湖はほぼ乾湖になってしまってるので、貴重なモノレイクが維持されたことはほんとに関係者の努力の賜物。最近のカリフォルニアの旱魃でまた水量が下がり生態系に危機的な状況になってきてるみたいだけど(例えば、干潟ができて島が陸続きになっちゃうとコヨーテが渡っちゃうので鳥の卵が根こそぎやられる、とか)、今年はエルニーニョで雨季の降水が期待できるらしいので、がんばって持ちこたえてほしいです。

モノレイクのトゥファを堪能した後は、湖を見下ろすリーバイニングのモービルレストランで遅い昼食。モービルガソリンスタンドに併設のダイナーなんだけどかなり人気があって、特にフィッシュタコスが「世界的に有名」らしい。日本語の張り紙や割り箸まであったよ。

その後はさらに北に車を飛ばし、395号をがーっと上ってわき道に入り、ヴァージニアレイクへ。ここのトレイルヘッドから行けるクーニー湖が釣りの穴場らしく、相棒がどうしても行きたいというので。ピコを連れて行くには時間とハイキング難易度的にちょっと難しいので、相棒だけがクーニー湖に向かい、私とピコはヴァージニア湖畔で待ち。ピコは唯一ある山小屋的リゾートのカフェ&ラウンジやヴァージニア湖畔でせっせとお絵かき&塗り絵に勤しんでいた。相棒は2時間半後になかなかのブルックトラウト4匹を持って帰ってきたので、待った甲斐もあったかな?






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015.08.29 14:14:51
コメント(0) | コメントを書く
[アメリカ国内旅行] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.