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まいじー日記

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2023.08.06
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カテゴリ:アメリカ国内旅行


カリフォルニアのワインカントリーといえばナパとかソノマとかが思い浮かびますが、パソロブレスも最近は新興著しい、らしいです。なんでもカリフォルニアで最も急速に成長しているワイン生産地だとか。

カリフォルニアのワインの歴史はスパニッシュミッションの伝道師たちが葡萄を植えてワイン醸造をしたところから始まるのですが、ミッション(伝道所)は順序の変動はあれど南から北に向かって開かれていったので、セントラルコーストのミッションの方がソノマのミッションよりも20年以上先に前に開かれており、当然ワイン作りも先に始まっていたわけだよね。

商用&現代的な設備による大規模な醸造はナパ・ソノマよりちょっと遅れて始まったらしく、またプレミアムワイン生産(とマーケティング)でもロバート・モンダヴィ率いるナパよりも遅れをとったわけですが、近年の発展はめざましく、今では250以上のワイナリーがあり、葡萄畑の面積も4万ヘクタールを超え、国際的なコンクールで受賞する高品質ワインも生み出されているそうです。

地域柄ロサンゼルス圏からの訪問客が多いんだと思ってたけど、最近はサンフランシスコベイエリアでもサンノゼとかのサウスベイ在住のワイン愛好家はナパ・ソノマじゃなくてパソロブレスに来る人が増えてるらしいね。サンノゼからだとナパ・ソノマの2時間ちょっとに対しパソロブレスは2時間半と所要時間は大して変わらないし、サンフランシスコやオークランドを通らなくていいから渋滞の可能性も少ないし運転も気楽だもんね。

まーそんなわけで、せっかくパソロブレスに来たからには、やっぱりワイナリーには行かないとね!ということで、2日目の午前中はワイナリー訪問に決定。相棒自転車友ジムのお勧めに従って、エベリー(Eberle)・ワイナリーの「洞窟」ツアーに参加してきました。

エベリーワイナリーはパソロブレスの住宅街を抜けてすぐ、昨日の夜に堪能したセンソリオのお隣の丘陵地帯にありました。パソロブレスAVA(American Viticultural Areas、アメリカ政府承認ぶどう栽培地域)に登録されている11のサブAVAの中ではGeneseo Districtに入るらしいです。

葡萄畑を抜けて丘の上のワイナリーに到着。まずは葡萄畑を見下ろすテラスでテイスティングの最初の1杯の白をいただく(ピコちんは水)。ちなみに、今どきほとんどのワイナリーでテイスティングは有料だと思うのですが、エベリーはワイナリーツアーもテイスティングも全て無料。なんて太っ腹。



白ワイン(ヴィオニエ)と眺めを堪能した後、醸造所内に降りてツアー開始。屋外の除梗破砕槽、発酵用のステンレスタンクなどを見学しながらワイン醸造の工程についてお話を聞いていく。その後樽詰したワインを熟成させている「洞窟」も見学。

「洞窟」といいつつ、実は丘を掘削して作った人工の地下洞窟なので、ほんとはトンネルという方が正しいそう。だけど「トンネルツアーよりも洞窟ツアーの方が参加したくなるでしょ?」とツアーガイド兼テイスティングマネジャーのおじさまが笑って言ってた。

地下の方が気温が安定するのでワインの熟成や保管には適しているというのはまあ常識ですよね。ナパでもワイン樽の熟成とか貯蔵に地下室とかトンネルとか使ってるワイナリーいくつもあるし。パソロブレスはセントラルコーストだけあって午前中でも外は暑かったけど、トンネルの中は肌寒いくらいひんやりしてました。あとワインの匂いがずっと漂ってて、そんな強烈に匂うわけじゃないんだけど、ずっと鼻の先にワインの匂いがある感じ。

ワインの熟成にはオーク(樫の木)の樽で寝かせるんだけど、このオークがどこの産かでもずいぶん味に差が出るんだって。一般に、アメリカ産のオーク(ペンシルベニアとか)はオーク味が強く出て、フランス産オークはもっとマイルドなんだって。もちろん新しい樽か、使って馴染んだ樽かどうかでも味の出方は違うそう。なので、醸造責任者はその年のワインのレシピの一環としてどの樽をどのくらいの割合で組み合わせるかというのも味のデザインの重要なポイントなんだそう。

というか、私はずっとタンクで発酵させたワインを樽詰にして熟成させたら樽から直接瓶詰めにすると思ってたんだけど、そうじゃなくて樽から一旦またタンクに空けて混ぜて瓶に詰めるらしい。確かに混ぜれば一定の味と品質のワインができるもんね(樽ごとに味が違ってたら商品として難しい)。あと、樽に入れたら熟成期間が過ぎるまでそのままではなく、定期的に樽からタンクに空けて混ぜてから樽に戻してまた熟成、というのを繰り返すんだそうです。知らなかった!!!





ツアーの後はまたテラスに戻って、テイスティングの続きをしながらツアーガイド兼テイスティングマネジャーさんのお話を聞く。

エベリーワイナリーの創始者ゲイリー・エベリーさんはパソロブレス・ワインの父というかパソロブレスがAVA認定されるよう尽力した3人のうちの1人なんだって。ワイナリーとヴィンヤードの創立にあたっては、ナパのワインと葡萄をいろいろ試してみて一番目指す味に近かったワイナリー(ボーリューだったかベリンジャーだったか忘れた)のカベルネを自分の葡萄畑に植えたんだとか。シラー100%のワインをアメリカで最初に商用に載せたのもエベリーさんだそう。

ちなみに現在のワイン醸造責任者はクリス・エベリーさんという方なんだけど、苗字はたまたま同じだっただけで親戚ではないそうです。エベリーなんてけっこう珍しい苗字なのにすごい偶然だよね。

エベリーというのはドイツ語で「小さい猪」という意味だそうで、ワイナリーのロゴは猪だし、ワイナリーのあちらこちらに猪の置物がありました。あと土地柄かテーブルデコレーションとかに多肉植物を多用してて、多肉好きにとっては嬉しかったです。



テイスティングは、最初のヴィオニエ白の後にロゼ、ジンファンデル、ブレンドの赤、エステートのカベルネソーヴィニヨンの5種類。ジンファンデルも苺ジャムの香りがして私は気に入ったんだけど、なんと言ってもカベルネがやっぱり美味しかった。カベルネが気に入った!と言ったら、テイスティングメニューにはなかったヴィンヤードセレクション(VS)のカベルネも試飲させてくれ、こちらも美味しかったので、エステートではなくVSの方を2本購入しました(エステート1本の値段でVSなら2本買えた)。



エベリーではローヌ系の品種に力を入れてるとも聞いたような気がするんだけど、だからシラーとヴィオニエなのかな?でもカリフォルニアワインといえばなカベルネとシャルドネはもちろんリストにありました。でもそういえばピノノワールはなかったね。ソーヴィニヨン・ブランも。

大満足のワイナリーツアーを終え、次なる目的地は「温泉」です。実はパソロブレスはワインカントリーとして名声を博する前、19世紀後半には温泉地として人気だったらしいんですよ(←ウィキペディア情報)。アメリカ温泉探訪者を自認(?)する私としては見逃せない情報ですね!

過去のアメリカ温泉探訪記はこちら:
- インディアン・ホットスプリングス(コロラド)
- グローバー・ホットスプリングス、ワイルド・ウィリーズ、ホット・クリーク(カリフォルニア)
- ポホイキ・ウォームスプリング(ハワイ)
- ウンプクア・ホットスプリングス(オレゴン)

・・ということで、やってきた「フランクリン・ホットスプリングス」。ここはネットの口コミ情報でも書いてあった通り、というかそれに輪をかけて「No Frills」つまり潔いくらいに飾り気一切なし!の温泉プールでした。

バラックのようなオフィスで入湯料(10ドルぽっきり)を払って入場。温泉は屋外で、コンクリートで作られたプールにプラスチックのパイプからお湯がどんどん流れ込んでいる。パイプに近い側(向かって右)の端に腰掛けもついた浴槽が2つ区切られていて日除けシェードもかかっているのと、パイプの根本も腰掛けて肩湯ができるような段差がつけられている。





プールサイドには日除けシェードの下にラウンジチェアや籐のカウチなんかが置かれたパティオスペースがいくつか設けられてくつろげるようになっており、トイレとシャワーもまあまあ綺麗だった。

シャワーで着替えてプールに入ってみると、枠というか壁面だけコンクリートで固められていて、底は砂利。プールの深さはパイプ側が私の肩が出るくらい、反対の端に行くに従って少しずつ深くなっていて、プールの2/3位のところで顔を出しては足がつかなくなる感じだった。お湯は深い方から溢れ出て、近くの池に流れ込んでいる。

泉質は硫黄泉、温度は華氏100度(摂氏38度)とややぬるめで、のぼせずにいつまでも入っていられる感じ。日向の温泉プールで暑くなったら、日除けシェード+ミストで涼しいパティオスペースでくつろいで、また温泉プールに入って、プールヌードルを抱えてぷかぷか浮いてリラックス〜〜。

ただプールに清掃とかは当然入らないので藻が生えてて、壁や階段、腰掛けがぬるぬるしてたり、お湯に小さな塊が浮いてたりするので、潔癖症な人は苦手かも。私は今までの天然温泉経験で慣れてるのでそんなもんかって感じでしたが。

「温泉大好きいつでもウェルカム派」の私に対し、相棒は「暑い日には温泉入りたくない派」なので、温泉プールには入らずに敷地内の池で釣り。温泉のお湯で水温の高い池にはラージマウスバスがたくさん生息してるので釣りもできるのです。

このフランクリン温泉はフランクリンさん一家による家族経営。家族所有のアルファルファ農場だった土地を石油会社テキサコが原油を探してボーリングしたところ、原油の代わりに地下800フィート(約244m)のところにあった温泉の湯脈を掘り当てたんだそうです。

なんでもこの湯脈ははるばるイエローストーンから来ているそうで、それだけの長い距離を地下を潜って流れてきているのでミネラル分が豊富な水質なんだとか。

フランクリンさん一家にはリゾートデベロッパーなどから買収のオファーも来てるけど、誰でも気軽に温泉浴を楽しめる施設として家族経営のまま少しずつアップグレードしていきたい、という方針だそうです。

敷地内ではキャンプもOK。といっても温泉と池以外には何もない原っぱなので、アウトドアアクティビティとしてのキャンピングというより、ヴァンライフ/RVリビング的なキャンピングの場合の方が多い感じ(ボーダーラインホームレスとも言える)。温泉でトイレとシャワーもあるから、ヴァンライフでネックになる衛生問題が一挙に解決できるわけよね。

そんなこんなでワインと温泉ですっかりくつろいだ後は、パソロブレスのダウンタウンで遅めのランチ。ダウンタウンは小さいけれど芝生の公園の周りにレストランやショップが並んでいていい感じ。人気の観光地だけあってレストランもオシャレなところが多くて、ワイナリーやオリーブオイルメーカーのテイスティングルームなどもあり、また来てぜひダウンタウン散策もしたいと思いました。次はもうちょっと涼しい時にね。





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最終更新日  2023.08.18 09:43:50
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