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カテゴリ:詩・文芸
りりっく★あとらす 第9回放送 2013.9.4 19:30~ FMなんじょう(77.2メガヘルツ) サイマルラジオあり サイマルラジオはトップページ最下部「FMなんじょう」の「放送を聞く」をクリック。 全国どこでも、海外からでも聞けます(リアルタイムです)。 ★詩の地図 -黒田三郎- 「紙風船」 黒田三郎は1919年、大正8年に広島県に生まれる。 終戦直後、日本の戦後詩をリードした詩の雑誌「荒地」を拠点に活動。 結核と闘いながら、生活に根ざした詩を平易な言葉でつづった。 1955年、最初の詩集「ひとりの女に」でH氏賞を受賞。 長女ユリとの日常生活をつづった詩集「小さなユリと」なども有名。 1980年に亡くなった。 「紙風船」は1964年に思潮社から発行された「もっと高く」という詩集に掲載。 1972年、フォークソングのグループ「赤い鳥」がこの詩に曲をつけて発表、ヒットした。 美しい願い事を託し、打ち上げる紙風船。 美しい願い事とは、身近な人の幸せを願うことかもしれない。 または争いのない平和な世の中を願うことかもしれない。 何度落ちてきてもくじけることなく、今度はさらに高いところを目指して打ち上げる。 そのあきらめない行為こそが、尊いものであるというメッセージが込められている。 黒田は長女ユリと過ごした生活の場面を、多くの詩に残している。 その中から「夕方の三十分」も紹介。 キューリユキコによる朗読。 ★あまくま・しまくとぅば 松原敏夫「物狂い 2」 (松原敏夫個人誌「アブ Abu」第13号) 松原敏夫は1948年、宮古島市生まれ。 第10回山之口貘賞を受賞。 詩集に「那覇午前零時」「アンナ幻想」。 「物狂い 2」 宮古島の言葉は、ドイツ語のようにエッジの利いた発音が魅力的。 冒頭のリフレインから最後の「うり」まで、朗読した時の聞こえ方をよく考えた上で構成されている。 宮古の土の臭いが香ってくるような作品。 ★イクメン・ポエム 中原中也「春日狂想」 中原中也は1907年、山口県生まれの詩人。 30歳で亡くなるまでに、350編以上の詩を残し、詩集に「山羊の歌」「在りし日の歌」がある。 中也は1936年、2歳になったばかりの長男・文也を亡くす。 「春日狂想」はその4カ月後、1937年に発表されている。 子どもの死にショックを受け、精神が不安定になっていく中で、追悼のために書いたといわれる。 中也本人も、その翌年には病気で亡くなる。 我が子を失った悲しみの深さがにじみ、その愛情の深さもかいま見える。 中也特有の歌うようなリズムとともに、おどけた調子が痛々しく響いてくる。 ★曲 natchy「プリズム」 Cali≠gari「せんちめんたる」 放送は毎週水曜、午後7時半から。 再放送は2回。土曜12:30~、月曜19:30~。 ぜひ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/09/18 11:30:35 PM
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