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カテゴリ:ブルシット時事・国際関係学
太郎とはもちろん麻生外相のこと。
「日本は核兵器開発技術を保有♪」うんぬんではない。もっともメディアではこちらの方が騒がれたけど。ヘルシンギン・サノマットの国際面でもこの発言が注目されていて、僕はそこで初めて知った。 個人的に注目したのはこっち↓ アサヒ・コムより 東欧からアジア「自由と繁栄の弧」 麻生氏が新外交方針 麻生外相は30日、東京都内で講演し、東欧地域から中央アジア、東南アジア付近にかけた地域を「自由と繁栄の弧」と位置づけ、民主主義体制への移行や経済発展を重点的に支援する新たな外交政策を打ち出した。安倍政権の外交戦略の柱の一つに位置づける考えだ。 麻生氏は、ポーランドなど旧東欧諸国の民主化支援などを具体的にあげたうえで、「自由と民主主義、人権と法の支配を大切にする思いは(日本は)人後に落ちない」と述べ、米国や豪州、インド、欧州連合(EU)などとの連携を強めていく考えを強調した。 朝日は詳しく報じてないが(朝日だから?)、実際のスピーチでは結構踏み込んだ内容になっている。 外務省のサイトには講演の全文が掲載 「自由と繁栄の弧」をつくる 我が国外交の基本が、日米同盟の強化、それから中国、韓国、ロシアなど近隣諸国との関係強化にある。――このことは、いまさら繰り返して申し上げるまでもありません。今回申し上げますのはその先、日本外交に、もう一本さらに新機軸を加えようということであります。 第一に、民主主義、自由、人権、法の支配、そして市場経済。そういう「普遍的価値」を、外交を進めるうえで大いに重視してまいりますというのが「価値の外交」であります。 第二に、ユーラシア大陸の外周に成長してまいりました新興の民主主義国。これらを帯のようにつなぎまして、「自由と繁栄の弧」を作りたい、作らねばならぬと思っております。 ぜひ全文に目を通してみて欲しい。スピーチ自体もやや「べらんめえ調」で面白い。 僕の見る日本外交は、とりあえずお金を出すとけ(小切手外交 checkbook diplomacy)みたく超プラグマティズム、ばらまき、一方で「平和主義」「国連主義」みたいな理想主義的、やや足が地に付いてないような表明、方針もあって両極端だった気がする。 またある外交問題が生じると(特にこれまでの歴史問題が典型例)、すごく敏感に反応しまい、その場を取り繕うだけの対処 makeshift diplomacy だった。冷静になれていない。 この麻生さんのスピーチは、地政学に基づく中長期的な戦略で、しかもターゲット国・地域が具体的。全体的にそれほど浮つきもない。この種の外交方針を日本の政治家からは久しく聞いたことがなかった。 うまくいけば、「麻生ドクトリン」と称されるだろう。 裏をかえすと「中露封じ込め」になっているのだが(笑)。そして実はアメリカの現在のユーラシア戦略とも一致している。 スピーチで言及されたおもな国々。「自由と繁栄」の弧に見えなくもない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.12.14 01:22:13
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