カテゴリ:時事
季刊「サッカー批評」にかつての高校選手権得点王森崎嘉之がとりあげられていた。興味深く読む。聴き手が「消えたマンガ家」の著者とはヒネリが効いている。
選手権決勝でハットトリックを決め、当時の協会会長に「すばらしい得点感覚。将来の日本代表をめざせる逸材」(NUMBERより)とまでいわれながらジェフ市原(当時)でレギュラーをとることもなく都落ちのようにチームを移り22歳で引退。気になっていた。 普通の生活をしっかりしている様子が頼もしい。 「日本代表にならないかぎりサッカーで飯を食うのは難しい」と言うコメントは正しい。メディアがとりあげないプロスポーツの陰の一面だろう。 以前読んだ別の雑誌ではファーストタッチに問題があったという指摘があった。そういう技術だけではなくいろいろなタイミングのズレがブレイクにつながらなかったようだ。自分で選んだ道ではあるし言い訳といってしまえばそれまでだが。プロサッカー黎明期の人材にそれをいうのは残酷だろう。そして悲劇の原因は黎明期ゆえの混乱、無責任なメディアから才能が守られなかったことにある。しょうがない、で済む問題ではないだろう。 才能への見切りがもしかしたら最後の「得点感覚」だったかもしれない、とも思う。 NFLは引退してもNFLの一員だという誇りをもたせるために定期的に現状報告をさせる、というのを聞いたことがある。Jリーグでもできないものか。司法試験に受かるJリーガーがでた一方でオレオレ詐欺の片棒をかついだ元Jリーガーもいる。社会の一員という意識をもたせるのは悪いことではないだろう。 野球選手よりもその後が気になるのは栄光の時間が短い競技生活に自分の芝居と重ねあわせているからかもしれない。自分に栄光があったかどうかはともかく。 見切りをつける姿に軽く痛みを感じるのは勝手な思い入れではあるが。小声で応援してしまう。森崎氏にはぜひ成功して欲しいものだ。NAK●TAになれとはいわないから。 ところで、先日バイク好きの男に息子を将来を見越してポケバイに乗せる?と聞いた。答えが傑作だった。 「絶対乗せない。ああいうプロスポーツはね、子供をたくさん持っていてひとりぐらいそういう一か八かなギャンブルをやらせてもいいかな、って親がやらせるんだよ」そんなもんかね?(♂) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年12月17日 07時32分54秒
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