■ 幻影師 アイゼンハイム / THE ILLUSIONIST (2008)
【 幻影師 アイゼンハイム 】2008年5月下旬シャンテシネ系劇場で公開 監督 ・ 脚本 : ニール・バーガー 出演 : エドワード・ノートン /ポール・ジアマッティ/ジェシカ・ビール 他 期待度 : ★★ → 鑑賞後の評価 ★★★ 原作 : スティーヴン・ミルハウザー 『幻影師、アイゼンハイム』(『バーナム博物館』所収) 「 幻影師 アイゼンハイム / THE ILLUSIONIST (2008) 」 監督は、脚本も手がけて本作が初監督作品となるニール・バーガー。主役は、「真実の行方 (1996)」で1996年・第54回助演男優賞を受賞し、アメリカン・ヒストリーX(1998)」では、1998年・第71回アカデミー賞旬円男優賞にノミネートされ、アンソニー・ホプキンス主演の話題作ハンニバル・レクター3部作の第1作目の「レッド・ドラゴン (2002)」に出演したエドワード・ノートン。「キングダム・オブ・ヘブン (2005)」では、スタントを使わずにそのノーブルなお顔立ちに仮面をつけたままエルサレム王ボードワン4世を熱演していましたね~ 共演は、ヒロインにソフィーに「ブレイド3 (2004)」、「セルラー (2004)」のジェシカ・ビール。日本では先に公開される「NEXT -ネクスト- (2007)」でヒロインのリズを演じてラジー賞にノミネートされてしまいました。 そして、全米でこの作品が発表された同時期にM・ナイト・シャマラン監督の「レディ・イン・ザ・ウォーター (2006)」で主役を務めたポール・ジアマッティ。 日本では「レディ・イン・ザ・ウォーター (2006)」のほうが先に公開れていますが、トータル興行収入では、本作のほうが上回ったようです。彼の代表作は、最近では「サイドウェイ (2004)」でゴールデン・グローブ賞の主演男優賞にノミネートされるなどで話題を呼び、「シンデレラマン(2005)」ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、主演、助演ともにその演技力には定評がありますね。 また、 「レジェンド・オブ・ゾロ (2005)」、「ホリデイ (2006)」でケイト・ウィンスレットが演じたヒロインのアイリスを悩ます男ジャスパーを演じたことで記憶に新しいルーファス・シーウェル。「トリスタンとイゾルデ(2006)」では、一度見たら忘れない濃ゆいお顔立ちで苦悩の末に若い二人を許す高潔なコーンウォールの領主マークを演じていて、本作では真逆な政略結婚と王位転覆を企てる王子レオポルド役です。 Story : 19世紀末ウィーン。ハプスブルク帝国末期の芸術文化の都では、大掛かりな奇術=イリュージョンが一世を風靡していた。中でも絶大な人気を誇っていたのは、アイゼンハイムという名の幻影師。ある日彼は舞台の上で、幼なじみのソフィと再会する。今では、皇太子の婚約者として注目を集める彼女は、その後ほどなく皇太子邸で謎の死を遂げてしまう。謀殺の噂も沸き立つ一大スキャンダルのさ中、アイゼンハイムはソフィの幻影を蘇らせる前代未聞のイリュージョンを発表するのだが…。「2008年5月下旬公開 」ー より ー 1996年に『マーティン・ドレスラーの夢』でピューリッツァー賞受賞作家となったスティーヴン・ミルハウザーの傑作小説 『幻影師、アイゼンハイム』の映画化。 全米わずか51館スタートの作品でしたが、口コミで広がりインディペンデント系の作品 としては、公開劇場数は最大1,438館まで拡大し、実に22周ものロングランとなった作品。興行収入40,000,000ドルを達成しました。 第79回アカデミー賞では最優秀撮影賞にノミネートされるなど、一流スタッフにささえられ、19世紀末にハプスブルク帝国末期に実在した人物や、ヨーロッパで実際に起こった「マイヤーリング事件」を参考に創り上げあげられたという本作。華麗なエンターテイメンツ性という点では弱いためか日本ではやっと単館系公開が実現しました。作品情報をほとんど入れることなく鑑賞したため、貴公子的な正統派美形のエドワード・ノートンですが、ひげを蓄えイメージがちょっと違ったため一瞬あれ?誰だっけ?なんって思っていました。気がついた時には、どおりで上品なお顔立ちしているわ~っと納得(笑)原題にあるように「 ILLUSIONIST 」と言えば、今ではデビッド・カッパーフィールドや日本ではプリンセス天功などの華麗なイリュージョンショーに驚愕しながらもタネがあることはだれもが理解していることですが、科学的証明が今ほど進んでいなかった19世紀末のウィーンでのお話なので、当時の観衆のようにピュアな気持ちで鑑賞すると楽しめることでしょう。エドワード・ノートンが醸し出す不思議な幻想的雰囲気に引きつけられ、ポール・ジアマッティの絶妙な演技による説得力によって、地味ながらも丁寧な脚本を味わえ、さわやかな風のようなラストに浸れる逸品です。 感の良い方にはかなりのネタばれとなってしまうため、詳細についてはここで言及を避けておきたいと思います。 ~ おしまい ~ || || || || ベストブログランキング |||| || || || ||MoonDreamWorks Movie riport Index