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森へ行こう(心とからだと子育てと)

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森の声

森の声

2024.08.26
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カテゴリ:カテゴリ未分類
日本人は「自分を表現する」ことが苦手です。苦手どころか逃げようとします。
自分が感じていることや、考えていることを言葉や行動に出そうとしません。そして、ただ黙って周囲に合わせています。

みんな、幼い子どもの頃はそんなことなかったはずなのに、周囲の大人から「良い子」や「正解」を押し付けられ、「みんなと一緒」を強制されているうちにそのような感性が育ってしまうのです。

日本の社会では「みんなと違うこと」は「直さなければいけない欠点」なんです。「発達障害」と呼ばれる子が増えてきたのも、学校に行かない子、行けない子が増えてきたのも、社会の「均一圧力」が強くなった結果なのでしょう。
「セルフ・レジ」のようなシステムも、社会の多様性を奪ってしまっています。

そして、そのようなしつけや教育を受けているうちに、感じたり考えたりする能力自体が萎えてしまっています。

コロナ騒動の間に「顔を出してはいけない」と押し付けられ、なんの考えも持たずにそれに従順に従った人たちは、今でも顔を隠して生きています。
でも、一人で散歩している時も、自転車に乗っている時もやっているのは「感染を防ぐためのマスク」ではなく「顔を隠すための布」に過ぎません。顔を隠して生活している人がいっぱいいる社会は不気味です。

そんな人たちでも、幼い子どもの頃には一生懸命に感じ考え、それを言葉と行動によって表現しようとしていたはずなのに、日常的にそれが否定されることで、感じたり、考えたり、言葉や行動によって自分の感覚や、思考や、想いを表現する能力の育ちが止まってしまったのでしょう。

そのような人に、「感じてみて」、「考えてみて」、「言ってみて」、「やってみて」と言っても「何を求められているのか」ということ自体が分からないようです。

子育ての勉強会で「子どもから〝なんで勉強しなければいけないの〟〝なんで学校に行かなければいけないの〟と聞かれたらなんて答えますか」と聞いても、納得できるような答えが返ってくることは稀です。

「子どもには自分らしく生きて欲しい」と言っている人に、「じゃあ、自分らしさって何ですか?」と聞いても納得できる答えが返ってきません。

そのような問いにちゃんと答えることが出来るような人はもうすでに「自分らしく」生きているのです。そして、お母さんが「自分らしく」生きているのなら、子どもも「自分らしく」生きることが出来るように育っていくのです。

それは、「日本語を話すお母さん」に育てられれば、子どもも日本語を話すようになるのと同じことです。
自分は自分らしさを失った状態から抜け出そうともしないで、子どもにだけそれを求めても無理なんです。

でもまだ子どものうちなら、ちょっとした刺激を与え、感じ、考えたことを言葉や行動で表現することを肯定しているうちに、子どもたちはどんどん感じ始めます。考え始めます。発言し始めます。行動し始めます。

すると、他者との関わり合いが生まれます。その過程で自分とも出会います。そして、頭と心とからだの成長が始まります。自分らしく生きる能力も育ちます。人間としての精神も育ちます。

そしてもっと学びたいとも思うようになります。それが子どもの本能だからです。

だから、子どもの育ちには「覚えさせる教育」ではなく、「表現させる教育」が必要なんです。「黙って言うことを聞きなさい」というしつけではなく、「君は何がやりたいの? 何が言いたいの?」と、問いかけるしつけが必要なんです。
言いなりになるために聞くのではなく、対話を始めるために聞くのです。

でもそのためには、まず大人が、自分の頭で考え、自分の感覚で感じ、自分の言葉で語り、自分の意思で行動することから始める必要があるのですけどね。





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Last updated  2024.08.26 06:20:26
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