はかせのブログ

2024/02/23(金)07:53

ヒトに馴れる=神経堤細胞が少ない

解剖学(254)

哺乳類が胎児のとき、神経堤細胞の数には遺伝的なばらつきがあるのだろう。神経堤細胞が多い個体では神経堤細胞に由来する細胞が多くなると考えても良いだろう。すると顔面の骨の発達が良く鼻筋が長くなる。軟骨の発達が良く耳がピンと立つ。皮膚表面の表皮のメラニン細胞が多く濃い色の単色の毛皮になる。そして、副腎髄質が発達してアドレナリン・ノルアドレナリンの分泌が多く攻撃的になるだろう。  野生のキツネでも胎児期の神経堤細胞にばらつきがあり、これが少なめの個体は副腎髄質の発達が悪く攻撃性が弱めになる。他のキツネに対してもヒトに対しても寛容になる。こういう個体同士を交配することで、神経堤細胞が遺伝的に少ない系統を作ることになったのだろう。世代を重ねるごとにますます神経堤細胞が少ない個体が増え、ヒトに近づくことに抵抗が無くなる。ヒトに近づくことのメリット(エサを優先的に与えられる、温かい環境に入れる(極寒のシベリアだ)を享受できる。接触によりホルモンの分泌バランスも変わり、ヒトに撫でられたり抱かれることに快感を持つようになっただろう。このような個体は発生過程で神経堤細胞が少なかったため顔面の骨格の発達が悪く短い鼻面になり、軟骨が弱いために垂れ耳になり、メラニン細胞が少ないためブチになったのだろう。

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