カテゴリ:建築士受験!!
構造力学編第6回(応力度) 建築士試験に独学で挑戦する方のために、過去問を使って問題の解き方・ポイント・解説などを行っています。 過去問約20年分を1肢ごとにばらして、出題の項目ごとに分けてまとめています。1,2級両方載せていますので、1級受験の方は2級問題で慣らしてから1級問題に挑戦。2級受験の方は、時々1級の過去問題からも出題されますので参考程度に1級問題を見ておくと得点UPが狙えます!! 全科目終わるには先の長い話ですが、勉強の参考になると嬉しいです! 構造-18 構造の問題は大きく構造力学(計算問題)と各種構造・建築材料(文章問題)に分かれます。ここでは、計算問題と文章問題を交互に紹介していきます。 構造(力学)6 応力度 今回は応力度の問題です。軸応力度、曲げ応力度、せん断応力度の公式はしっかり覚えて下さい! ************************************************** 問題 □ 応力度(2級) 1 図のような荷重P(N)を受ける長さℓ(㎜)、断面b(㎜)×2h(㎜)の単純ばりに生じる最大曲げ応力度として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、はりを構成する二つの材は、それぞれ相互に接合されていないものとし、はりの自重は無視するものとする。(2級H14) 2 図のような二か所に荷重P(N)を受ける長さℓ(㎜)、断面b(㎜)×h(㎜)の単純ばりのA点に生じる最大曲げ応力度として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、はりの自重は無視するものとする。(2級H15) 3 図のような長方形断面を有する木造のはりのX軸について許容曲げモーメントとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、はり材の許容曲げ応力度は、18N/㎟とする。(2級H16) 4 図のような荷重Pを受ける単純梁にA、Bの部材を用いる場合、二つの部材それぞれの許容曲げモーメントの大きさが等しくなる場合の部材Bの幅xの値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材A、Bはともに同じ材料とし、自重は無視するものとする。(2級H17) 5 図のような図のような荷重Pを受ける単純梁に断面100㎜×200㎜の部材を用いた場合、その部材が許容曲げモーメントに達するときの荷重Pの値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の許容曲げ応力度は20N/㎟とし、自重は無視するものとする。(2級H19) 6 図のような荷重を受ける、スパンが等しく断面の異なる単純梁A及び単純梁Bにおいて、CA点、CB点に生じる最大曲げ応力度をそれぞれσA、σBとしたとき、それらの比σA:σBとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、単純梁に用いる部材はいずれも同じ材料とし、自重は無視するものとする。(2級H20) 7 図のような荷重を受ける単純梁に、断面60㎜×100㎜の部材を用いた場合、その部材に生じる最大曲げ応力度の大きさと最大せん断応力度の大きさとの組み合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の自重は無視するものとする。(2級H21) 8 図のような荷重を受ける単純梁に、断面120㎜×200㎜の部材を用いた場合、その部材が許容曲げモーメントに達するときの荷重Pの値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の許容曲げ応力度は20N/㎟とし、自重は無視するものとする。(2級H23) 9 図のような荷重を受ける単純梁に、断面100㎜×200㎜の部材を用いた場合、その部材に生じる最大曲げ応力度として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の自重は無視するものとする。(2級H24) 10 図のような長方形断面を有する木造の梁のX軸についての許容曲げモーメントとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、梁材の許容曲げ応力度は、12N/㎟とする。(2級H25) 11 図のような等分布荷重を受ける単純梁に断面75㎜×200㎜の部材を用いた場合、A点の最大曲げ応力度が1N/㎟となるときの梁の長さℓの値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の断面は一様とし、自重は無視するものとする。(2級H26) 12 図のような等分布荷重を受ける単純梁に断面100㎜×300㎜の部材を用いた場合、A点に生じる最大曲げ応力度として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の断面は一様とし、自重は無視するものとする。(2級H27) 13 図のような荷重を受ける単純梁に、断面90㎜×200㎜の部材を用いた場合、A点の断面下端に生じる縁応力度σとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、縁応力度σは下式によって与えられるものとし、部材の断面は一様で、荷重による部材の変形及び自重は無視するものとする。(2級H28) 14 図のような等分布荷重を受ける単純梁に断面100㎜×200㎜の部材を用いた場合、A点に生じる最大曲げ応力度として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の断面は一様とし、自重は無視するものとする。(2級H29) 15 図のような荷重を受ける単純梁に、断面90㎜×200㎜の部材を用いた場合、その部材が許容曲げモーメントに達するときの荷重Pの値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の許容曲げ応力度は20N/㎟とし、自重は無視するものとする。(2級H30) 16 図のような荷重を受ける単純梁に断面100㎜×200㎜の部材を用いた場合、その部材に生ずる最大曲げ応力度として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の自重は無視するものとする。(2級R01) 17 図のような等分布荷重wを受ける長さℓの片持ち梁に断面b×hの部材を用いたとき、その部材に生ずる最大曲げ応力度として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の自重は無視するものとする。(2級R02) 18 図のような等分布荷重を受ける単純梁に断面120㎜×150㎜の部材を用いた場合、A点の最大曲げ応力度が1N/㎟となるときのℓの値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の断面は一様とし、自重は無視するものとする。(2級R03) 19 図のような荷重を受ける断面100㎜×200㎜の部材を用いた場合、その部材に生じる最大曲げ応力度として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の自重は無視するものとする。(2級R04) □ 組み合わせ応力度(1級) 1 図-1のような荷重を受ける鉄骨構造による門形ラーメンにおいて、曲げモーメント及び柱脚の反力が図-2のように求められている。曲げと軸方向力の組み合わせにより、柱の断面A-Aに生じる圧縮応力度の最大値に最も近いものは、次のうちどれか。ただし、条件は、イ~ニのとおりとする。(1級H15) 2 図-1のような底部で固定された矩形断面材の頂部の図心G点に荷重P及び荷重Qが作用するときの底部a-a断面における垂直応力度分布が図-2に示されている。PとQの組み合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、矩形断面材は等質等断面材とし、自重はないものとする。(1級H17) 3 図-1のような鉄骨骨組みについて、図-2に鉛直荷重時の曲げモーメントと柱脚反力、図-3に地震による水平荷重時の曲げモーメントと柱脚反力を示している。地震時に柱に生じる短期の「圧縮応力度と圧縮曲げ応力度の和」の最大値として、最も適当なものは、次のうちどれか。ただし、柱は、断面積A=1.0×10⁴㎟、断面係数Z=2.0×10⁶㎜³とし、断面検討用の応力には接点応力を用いる。(1級H22) 4 図-1のような底部で固定された矩形断面材の頂部の図心G点に鉛直荷重P及び水平荷重Qが作用するときの底部a-a断面における垂直応力度分布が図-2に示されている。PとQの組み合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、矩形断面材は等質等断面で、自重は考慮しないものとする。(1級H26) 5 図-1のように、脚部で固定された柱の頂部に鉛直荷重N及び水平荷重Qが作用している。柱の断面形状は図-2に示すような長方形断面であり、鉛直荷重N及び水平荷重Qは断面の重心に作用しているものとする。柱脚部断面における引張縁応力度と圧縮縁応力度との組み合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱は等質等断面とし、自重は無視する。また、応力度は弾性範囲内にあるものとし、引張応力度を「+」、圧縮応力度を「-」とする。(1級H29) 6 図-1のように、脚部で固定された柱の頂部に、鉛直荷重N及び水平荷重Qが作用している。柱の断面形状は図-2に示すような長方形断面であり、N及びQは断面の図心に作用しているものとする。柱脚部断面における引張縁応力度、圧縮縁応力度及び最大せん断応力度の組み合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱は全長にわたって等質等断面の弾性部材とし、自重は無視する。また、引張応力度を「+」、圧縮応力度を「-」とする。(1級R03) *************************************************** 解説 □ 応力度 ① 軸方向力による応力度 σ=N/A (N:軸方向力、A:断面積) ② 曲げモーメントによる応力度 σc=σt=M/Z (M:曲げモーメント、Z:断面係数) ③ せん断力による応力度 長方形断面の最大せん断応力度 τmax=1.5×Q/A (Q:せん断力、A:断面積) ④ 代表的な最大曲げモーメント ⑤ 代表的な最大せん断力 ⑤ 許容曲げモーメント(Ma)=許容曲げ応力度(fb)×断面係数(Z) ここから、荷重を求める問題、部材の長さを求める問題、部材の断面寸法を求める問題など が出題されている □ 応力度(2級) 1 σbmax=Mmax/Z Mmax=Pℓ/4 Z=bh²/6×2=2bh²/3 σbmax=(Pℓ/4)/(bh²/3)=3Pℓ/4bh² 正解 2番 2 σA=MA/Z MA=Pℓ/6 Z=bh²/6 σA=(Pℓ/6)/(bh²/6)=Pℓ/bh² 正解 1番 3 Ma=fb×Z fb=18N/㎟ Z=120×200²/6=8×10⁵㎜³ Ma=18×(8×10⁵)=144×10⁵N㎟=14400Nm 正解 5番 4 A、B材の許容曲げモーメントが等しいとは、Ma=fb×Zb=fb×ZBとなり、A,Bが同じ 材料なのでfbが等しく、ZA=ZBとなるので、ここからxを求める。 ZA(60×400²)=ZB(x×200²) x=240㎜ fa=18N/㎟ Z=120×200²/6=48×10⁵㎜³ Ma=18×(48)×(48×10⁵)=144×10⁵N㎟=14400Nm 正解 2番 5 Ma=fb×Z fb=20N/㎟ Z=100×200²/6=2×10⁶/3㎜³ Ma=2P/3×1000=2000P/3N㎟ 2000P/3=20×(2×10³/3)より、P=20×10³N=20KN 正解 4番 6 σA=MA/ZA MA=2.5×1=2.5KNm=2.5×10⁶N㎜ ZA=100×200²/6=4×10⁶/6㎜³ σA=(2.5×10⁶)/(4×10⁶/6)=15/4 σB=MB/ZB MA=7.5×1=7.5KNm=7.5×10⁶N㎜ ZB=100×300²/6=9×10⁶/6㎜³ σB=(7.5×10⁶)/(9×10⁶/6)=45/9 σA:σB=15/4:45/9=3:4 正解 4番 7 σbmax=Mmax/Z Mmax=6×2=12KNm=12×10⁶N㎜ Z=60×100²/6=1×10⁵㎜³ σbmax=(12×10⁶)/(1×10⁵)=120N/㎟ τmax=1.5×Q/A Q=6KN=6×10³N A=60×100=6×10³㎟ τmax=1.5×(6×10³)/(6×106³)=1.5N/㎟ 正解 5番 8 Ma=fb×Z fb=20N/㎟ Z=120×200²/6=8×10⁵㎜³ Ma=P×1=PKNm=P×10⁶N㎜ P×10⁶=20×(8×10⁵)=16×10⁶より P=(16×10⁶)/10⁶=16KN 正解 5番 9 σbmax=Mmax/Z Mmax=12KNm=12×10⁶N㎜ Z=100×200²/6=2×10⁶/3㎜³ σbmax=(12×10⁶)/(2×10⁶/3)=18N/㎟ 正解 2番 10 Ma=fb×Z fb=12N/㎟ Z=100×300²/6=3×10⁶/2㎜³ Ma=12×(3×10⁶/2)=18×10⁶N㎜=18KNm 正解 4番 11 σbmax=Mmax/Z Mmax=4×ℓ²/8=ℓ²/2N㎜ Z=75×200²/6=5×10⁵㎜³ 1N/㎟=(ℓ²/2)×(5×10⁵) ℓ²=1×10⁶より、ℓ=1×10³=1000㎜ 正解 1番 12 σA=M/Z M=6000N×500㎜=3×10⁶N㎜ Z=100×300²/6=3×10⁶/2㎜³ σA=(3×10⁶)/(3×10⁶/2)=2N/㎟ 正解 2番 13 σ=N/A±M/Z N=+36KN=36×10³N A=90×200=18×10³㎟ M=9KNm=9×10⁶N㎜ Z=90×200²/6=6×10⁵㎜³ N/A=(36×10³)/(18×10³)=2N/㎟ M/Z=(9×10⁶)/(6×10⁵)=15N/㎟(上からの荷重に対して断面下端の縁応力度 なので、+) σ=2+15=17N/㎟ 正解 2番 14 σA=M/Z M=6×4²/8=12KNm=12×10⁶N㎜ Z=100×200²/6=2×10⁶/3㎜³ σA=(12×10⁶)/(2×10⁶/3)=18N/㎟ 正解 4番 15 Ma=fb×Z Ma=1.5P×3000-P×1500=3000P fb=20N/㎟ Z=90×200²/6=6×10⁵㎜³ 3000P=20×(6×10⁵)より P=120×10⁵/3000=4000N=4KN 正解 2番 16 σ=M/Z M=5×4=20KNm=20×10⁶N㎜ Z=100×200²/6=2×10⁶/3㎜³ σ=(20×10⁶)/(2×10⁶/3)=30N/㎟ 正解 1番 17 σ=M/Z M=wℓ²/2 Z=b×h²/6=bh²/6 σ=(wℓ²/2)/(bh²/6)=3wℓ²/bh² 正解 1番 18 σ=M/Z σ=1N/㎟ M=10ℓ²/8 Z=120×150²/6=45×10⁴ 1=(10ℓ²/8)/(45×10⁴)より、ℓ=600㎜ 正解 2番 19 σ=M/Z M=8×2=16KNm=16×10⁶N㎜ Z=100×200²/6=2×10⁶/3 σ=(16×10⁶)/(2×10⁶/3)=24×10⁶N㎜=24KNm 正解 2番 □ 組み合わせ応力度 ① 軸応力度(N/A)と曲げ応力度(M/Z)の組み合わせ □ 組み合わせ応力度(1級) 1 σ=-N/A-M/Z M図より、NとMを求める。 柱右N=-120KN=120×10³N A=6×10³㎟ A点のM=20×2.5=50KNm=50×10⁶N㎜ Z=5.0×10⁵㎜³ σ=-(120×10³)/(6×10³)-(50×10⁶)/(5.0×10⁵) =-20-100=-120N/㎟(圧縮応力度) 正解 5番 2 σ=-N/A±M/Z N=P A=BD M=Qℓ Z=BD²/6 応力度の分布左側-N/A+M/Z=0---① 応力度の分布右側-N/A-M/Z=-σ---② ①+②=2N/A=σ より、Pを求める。2P/BD=σ P=BDσ/2 ①-②=2M/Z=σ より、Qを求める。 (2Qℓ)/(BD²/6)=σ Q=σBD²/12ℓ 正解 5番 3 σ=-N/A-M/Z 柱右N=-100+(-100)=-200KN=200×10³N㎜ A=1.0×10⁴㎟ 柱右柱頭M=100+200=300KNm=300×10⁶N㎜ Z=2.0×10⁶㎜³ N/A=(200×10³)/(1.0×10⁴)=20N/㎟ M/Z=(300×10⁶)/(2.0×10⁶)=150N/㎟ σ=-20-150=-170N/㎟(圧縮側の最大値) 正解 3番 4 σ=-N/A±M/Z N=P A=BD M=Qℓ Z=BD²/6 応力度の分布左側-N/A+M/Z=-σ---① 応力度の分布右側-N/A-M/Z=-2σ---② ①+②=2N/A=3σ より、Pを求める。2P/BD=3σ P=3BDσ/2 ①-②=2M/Z=σ より、Qを求める。 (2Qℓ)/(BD²/6)=σ Q=σBD²/12ℓ 正解 3番 5 σ=-N/A±M/Z N=120KN=120×10³N A=200×300=60×10³㎟ M=15×2=30KNm=30×10⁶N㎜ Z=200×300²/6=3×10⁶㎜³ N/A=(120×10³)/(60×10³)=2N/㎟ M/Z=(30×10⁶)/(3×10⁶)=10N/㎟ 応力度の分布左側(引張縁)=-2+10=8N/㎟ 応力度の分布右側(圧縮縁)=-2-10=-12N/㎟ 正解 2番 6 σ=-N/A±M/Z N=240KN=240×10³N A=200×300=60×10³㎟ M=30×2=60KNm=60×10⁶N㎜ Z=200×300²/6=3×10⁶㎜³ N/A=(240×10³)/(60×10³)=4N/㎟ M/Z=(60×10⁶)/(3×10⁶)=20N/㎟ 応力度の分布左側(引張縁)=-4+20=16N/㎟ 応力度の分布右側(圧縮縁)=-4-20=-24N/㎟ τmax=1.5Q/A Q=30KN=30×10³N τmax=1.5×(30×10³)/(60×10³)=0.75N/㎟ 正解 2番 2級では、曲げ応力度、許容曲げモーメントの公式を理解した上で、それを変形してスパンや荷重を求める問題まで出題されています。1級では、曲げ応力度とせん断応力度の組み合わせ問題が出題されるので、解法手順をしっかり理解したいですね!! 次回も計算問題から、座屈を紹介します。 今日はこんな言葉です! 『今度こそ!でも、うまくいかない時は今度こそ!誰よりもたくさん挑戦した人がうまくいく。』 (福島正伸)
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Last updated
Dec 25, 2022 06:57:23 PM
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