|
カテゴリ:業界ネタ
ついに、というべきか、やっぱり、というべきか、
月桂冠から『糖質ゼロ』の日本酒が発売されるそうだ。 まあ飲んでもいない商品のことだから、味に関して云々するのは差し控えたいが、 なんとなく感じは分かる。 一応市場のニーズをよく分析した上で、発売に踏み切ったと思うが、 果たしてどうなんだろう、こういう商品って。 まず酒にこだわりを求める客層には見向きもされない、これは火を見るより明らかだ。 とすると残るは、「毎日飲まなきゃいられないけど、カラダのことも心配だし.....」 という“ヘビーユーザー”、完全に彼ら向けの商材だといえると思う。 しかし一時は日本酒消費量のかなりの部分を支えていたこれらの客層が、 今は極端に減りつつあるのも周知の事実。 その中には、本当に酒を断ってしまった人もいれば、焼酎などに流れていった人も多い。 一旦焼酎に流れていったお客が、この商品をキッカケに日本酒に戻ってくるというのも、まず考えにくい。 このカテゴリー自体がこれ以上膨らむ可能性はまずないから、 結局はその中で他社のシェアを食っていこうということでしかない。 所詮はその程度の商品で終わってしまいそうだ。 まずは「量を売ろう」という大前提があってのことだから、そんな商品には端から期待できない。 私は以前から何度も、日本酒の復権のために何をしたらいいのか、ということについてこのブログ上で書いているが、 それはとにもかくにも「造り手が良い物・ホンモノを造って消費者にアピールする」ということしかないと思っている。 しかしながら、『糖質ゼロ』商品で日本酒ユーザー同士の食い合いをしようというような現状は、 私の考える理念からは遠くかけ離れている。 とにかく今まで日本酒に見向きもしなかった層を取り込まなければ、日本酒の復権などとてもおぼつかないだろう。 大手メーカーにも出来ることはあるはずだ。 そして『糖質ゼロ』がその答えでは決してないはずだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[業界ネタ] カテゴリの最新記事
|