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テーマ:酒類業界の打ち明け話(24)
カテゴリ:業界ネタ
昨日の朝日新聞の「論争」の欄に、「酒の販売規制」というテーマで、
意見の異なる二人の主張が掲載されていた。 ひとりは、アルコール薬物問題全国市民協会代表の今成さんという方。 もうひとりは、全国小売酒販組合中央会会長の四十万(しじま)さん、 つまり私たちリカーマンの親玉に当たる人だ。 ついこの間、WHO「世界保健機構」がアルコール類の販売規制について具体的な指針案を発表したが、 これを「むしろ遅すぎ」としながらも歓迎する今成氏、 あくまでも自主規制での形で律するのが望ましいとする四十万氏、 ここのところに対決の構図がある。 ただこのお二人の意見を見る限り、双方の主張が真っ向からぶつかっている、という感じでもなく、 いずれも酒類販売の現状については、憂慮すべき問題を抱えているという点では一致しているのである。 そもそもこのお二人の対決に意味があるのか、と私などは思う。 今成氏と対決させるべきは、大手流通業のトップと、規制緩和を推進した当時の政・官のトップだろう。 今成氏も指摘しているが、今日のアルコール問題の根底にあるもののひとつには、 あまりに買い易いが故に、野放し同然の状態になっている酒類販売の現状がある。 しかもそれを「安売り」「特売」という手段で盛んに煽り立てている。 この状況を作り出した張本人が、今成氏の指摘に対してどう答えるか、私はそこに興味がある。 確かに「消費者利益」という意味ではメリットはあったことは否めないが、 致酔飲料で中毒性もある酒類の販売を、単に市場の論理の中で語ることについては、 検討すべき時期に来ているのかもしれない。 私個人的には、「日本は酒に対して甘すぎる」という今成氏の主張には、ある程度賛同できる。 ただ今成氏の主張の中では、ご本人が明言しているわけではないが、どうみても酒が悪者にされている。 酒がらみの事件や犯罪が多いとはいえ、元を断ってハイおしまい、という単純なことでは無いだろう。 とにかくリカーマンとしては、酒が悪者になることだけは絶対に避けたいと思う。 もっともWHOの指針案にしても、具体策については各国に委ねられているため、 世界統一の指針というわけではない。 だからこそ日本国内の事情を鑑みて、これからどうしていけばいいのか、 メーカー、販売者、消費者がお互いに意見を出し合う余地も残されているだろう。 以前私がこのブログで提案した「飲酒講習会」のようなものをやるのもアリじゃないか、とも思うが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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