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テーマ:中学校って・・・(602)
カテゴリ:塾の日常風景
昔うちの塾では、中学生と深夜特訓をやっていた。
「日本一勉強ができる中学生にはなれないけど、日本一勉強する中学生になれ。 」などと、柄にもなく格好いいことを言っていた。 土曜日の朝9時から、日曜日の朝6時まで21時間。まさに勉強のマラソン。睡眠時間は当然ない。近所からは不本意ながらスパルタ塾と呼ばれた。 授業はほとんどやらない。数学の授業4時間と社会のクイズ2時間だけ。あとは自習。 私は別の部屋で懇談会やったり、パソコンいじったり、事務仕事やったり、生徒を基本的には放り出しておく。生徒には自分の力でやることを見つけてもらう。 子供がいる部屋には時々ギャグを言いに行ったり、「眠くなったら科目を変えろよ。理科やって眠くなったら、数学のちょっと難しい問題解いて眠気覚まし」などと軽くアドバイスをするだけ。しかし生徒がどんな勉強をやっているか逐一チェックする。自主勉強させたら勉強の上手い下手が露骨に表れる。社会の苦手な子は教科書の丸写しを、ペンを何色も使ってやっている。それじゃあ力つかないよ。 時々子供が来て、いろいろ相談にくる。 「憲法の前文、丸暗記しといたほうがええかねえ?」 「先生、俺英語の熟語が弱いんよう。何かええプリントない?」 そのたびに俺のパソコンに入っている自家製教材をプリントアウトして渡す。私のvaioは教材の宝庫だ。 一人に渡すと周りがみな欲しいというから、結局コピーしてみんなに渡す。 「古文がわからん。勉強のやり方教えて」 そんな子は、私とマンツーマンで勉強。 夜45分間だけゲーム大会。トランプで大富豪。私はゲーム関係にはからきし弱いので、遠慮してパソコンに向かう。にぎやかな声を聞いていると楽しそう。修学旅行の夜みたい。 深夜2時頃気分転換と夜食の買出しにセブンイレブンに向かう。セブンイレブンまで15分間深夜の散歩。コンビニの前にたむろするヤンキーの兄ちゃん達も寝静まり、「夜回り先生」も家路に向かう頃、うちの塾の真面目な中学生が夜中にふらふら私と徘徊する。島の閑散としたセブンイレブンが、我が塾の中学生で俄然活気づく。のんびりしていたアルバイトのお兄さんたちの仕事を増やして申し訳ないような気がする。 時折コンビニで食べ物を買いすぎる子がいる。そんな子は当然眠くなる。勉強中に食いすぎたら睡魔が襲い集中力が衰え効率的な勉強ができないよ。家だったら寝てしまえばいいが、塾の深夜特訓では寝るわけにはいかない。 眠い時にどうやって何を勉強したら良いか、脳みそをしっかり働かせてくれればいい。深夜特訓を通じて、長時間勉強を続けるペースを身体で覚えて欲しい。 深夜特訓の経験は、彼らが数年後大学受験で猛勉強しなければならない時のリハーサルになる。大学受験前には深夜特訓でやったことを思い出して実践しさえすればいいのだ。 最近深夜特訓はやっていないが、そろそろ再開してもいいかな、と思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/08/27 10:21:43 AM
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