カテゴリ:音楽
帰省している実家には、いまだに自分のがらくたが山盛りだ。
ロンドンから電話するたび、そして帰省するたびに母から「頼むし、自分のモンは服でもテープでもほかして行ってんか。」と壊れたプレーヤーのごとく繰り返される。 今日、家にいた私は、これまで録音してきたカセットテープが大量にはいっている箱を7~8年ぶりくらいに初めて開けてみた。 うわぁ~出た…。 人生でいちばん最初に買ったカセットテープもあった。 確か、念願のラジカセを買ったのが小学校の4年の頃だったはずで、そのラジカセに3本おまけでついていたテープだ。 なので、ほぼ30年前に録音したものが残っている。 ラジカセを買い始めた頃は、近所のおにいちゃんから教えてもらったカーペンターズ一色。 まだ、FMのエアチェックというようなカッコいい言葉も知らず、普通のAMで、夜の番組から録音したり(注:この時間にAMを聴いていると、韓国や中国などの放送が割り込んできて、うわんうわんしていても、その状態のまま録音していた。)自分なりに納得しながら使っていたはずだ。 そのうちに、FMのほうが音がよくてしゃれた音楽をやっている、ということに気づき、次にはまったのはボズ・スキャッグス。 これが2年くらい続いた後、私の永遠のアイドル、ホール&オーツ。 久しぶりに開けた、カセットテープ玉手箱には、自分の好きな音楽ルーツを辿るテープがとんでもないくらい出てきた。 全部で400本くらいあっただろうか。 そのテープのケースやレーベルを一つずつ確認していくと、胸にぐさぐさっと突き刺さるものがあった。 初期のホール&オーツを一緒に楽しんでいたのは、私の人生のいちばん最初に結婚しようと思っていた人だった。 ポップスやオーディオがオタクと言われない程度に好きだった彼は、いろんなものがもっと聴きたいとせがむ私に、ホール&オーツのFMの番組をエアチェックしてくれたり、自分でレコードから録音してくれたりしていた。 忘れていたような、今となっては貴重なライブの音源についても、アルバムからダビングしてくれたものも、彼がすべてタイトルをレーベルに丁寧な字で書いてくれていた。 どんなテープを残していたか調べたいという気持ちで開けた箱の中に、こんなに心に敏感に触れるものを残していたとは…という、小さくない衝撃があった。 その彼とは両親との挨拶も済ませ、いつ結婚するかを決める段階にまであったのに、その後になって波乱が起き、私は突き放すように彼と別れてしまった。 今はどこにどうしているのかわからないし、その後、探したこともない。 もしも、偶然会ったら、やっぱりその時のいろいろな気持ちを説明してみたいし、彼がなんと言うかきいてもみたいが、おそらくそのような時は今後も来ないのではないかと思う。 今日、テープの箱をひっくり返したばかりに、思いもしなかった彼の字を10年以上もたって発見して、若干、感傷的になっている。 クサいタイトルだとは思ったが、このような私の気持ちにこそ「青春の痛み」というタイトルがふさわしいのではなかろうか、と思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年03月28日 09時21分44秒
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