テーマ:映画館で観た映画(8562)
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監督・・・阪本順治
出演・・・萩原聖人、オダギリ・ジョー、MITCH、シェー・ウィガム、ピーター・ムラン他。 ・物語序盤・ 広岡健太郎はフィリピンで終戦を迎えた。 上空から舞い落ちてくる終戦を知らせるビラと、飛行機から流れてくるジャズの音色。 帰国した健太郎は、軍楽隊に居た経験を活かして、進駐軍相手のジャズバンド・ラッキーストライカーを結成した。 メンバーは先輩のベーシスト平山、ピアニストの大野、全くの素人であるドラマー池島、そして他のバンドから引き抜いたトランペッターの淺川の五人。 彼等は米軍の慰安施設“EMクラブ”の舞台に立つが、その演奏は稚拙で、ジャズマン上がりの米兵にからかわれる。 面白かったです。 ギャグは滑るか滑らないかの瀬戸際のラインなのですが、ギリギリ・セーフといった感じで笑えました。 冒頭の、穴に落ちるおじさんを見た時は、かなり厭な予感がしましたが…。 哀川翔の怪しげな顔役の日系人。 何故かアメリカ人にも日本語を喋っていると思ったら…笑。 健太郎の父親役の大杉漣も、出番は少なかったのですが、良い味出してましたね。 映画全体としては、重すぎず甘すぎず、適度に纏まっていました。 軽いタッチの中にも、戦争の抱える多くの問題が練りこまれていて、大いに笑ったのですが、一方で沈鬱な気持ちも残りました。 あまりに多くの問題を入れ過ぎた為、全てが表面的な描写になってしまった事は否めません。 ですがこの作品は、飽く迄ジャズを愛する若者達の青春を描いたものであり、反戦思想や戦争の残す傷跡など、重いテーマや強いメッセージを伝えたいものではないと思います。 全てを広く浅く拾って描く脚本が、返って説教染みた印象を与えず、作品の軽妙な雰囲気にマッチしていましたね。 残念というか、ある程度仕方の無い事なのですが、一番のクライマックスである「この世の外へ」を演奏する場面で、肝心の萩原聖人の歌が下手…笑。 何故あの大事な場面で、素人に歌わせるかなぁ? あの歌で感動しろと言われても困りますよ。 あそこは他のシーン同様、敢えて音パクで、萩原はサックスを吹いているという設定にした方が感動的だったと思うのですが…。 一応主役を目立たせなければ、という事でしょうけどね。 私事ですが。 序盤の頃の、サックスのスカスカいう音を聴いていたら、耳と胸が痛かったです。 まるで私が吹いてる音みたいだと(爆)。 一度で良いから、プロのような透き通った音を出してみたいです。 指も動きませんけど。 エンディングの、戦後日本のジャズを支えてきたお歴々の姿を映した映像は感慨深いものがありましたね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Mar 3, 2004 10:51:04 PM
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