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"UNDER SUSPICION"
監督・・・スティーヴン・ホプキンス 原作・・・ジョン・ウェインライト 出演・・・ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、トーマス・ジェーン、モニカ・ベルッチ、他。 ・物語序盤・ プエルトリコの港町サンファンは、フェスティバルで賑わっていた。 法曹界で成功した税務弁護士のヘンリー・ハーストは、美しい妻シャンタルと優雅な暮らしをしていた。 パーティーに出掛ける直前、ハーストは友人で警察署長を務めるヴィクターに警察署に呼び出される。 ハーストは数日前、朝のジョギング中に殺害された少女の遺体を発見し、警察に通報していた。 彼の供述に不審な点があるとして、ヴィクターはハーストに当日の行動を質問する。 ハーストの話は二転三転し、尋問に立ち会ったオーエンス刑事はあからさまに彼を疑うが…。 最初から最後まで、舞台の殆どが取調室の中という、精神的な圧迫感のある映画だった。 夫婦の仲が壊れるには、色々な理由がある。 誰もが納得するような重大な背信行為が原因の場合もある。 だが破綻の発端は、ごく些細な出来事である事が多いのではなかろうか? ちょっとした行き違い、つまらない意地の張り合い。 それがいつしか、二人の間に修復しようのない亀裂を生じさせる。 互いに心の何処かで、相手を思い遣りながらも、自分から積極的に歩み寄ろうとはしない。 この作品に出てくる夫婦を隔てるものは、18メートルの廊下だった。 表立って衝突する事もなく、互いを隔絶する長い廊下に、侘しさを感じながらも、一方で暗い安堵を覚えている二人。 互いに本音を吐露し合えば、全てが壊れてしまうのは明白であるから。 どちらも決して幸福ではない。 だが少なくとも、社会的・経済的に満たされている今の環境を壊すよりは、心を押し隠す事の方がベターなのだ。 最後まで観ても、あまり救いは無い。 一度入ってしまった罅は決して消えない…。 どんなに上手く張り合わせたとしても、たとえ他の誰からも見えないとしても、そこに傷跡がある事を自分達自身が一番自覚しているから。 それでも二人には、これから先も、完全にそれを破壊してしまう勇気は持てないだろう。 殺人事件の嫌疑を掛けられるという危機的状況において、露呈する夫婦の真の姿…。 どちらかが悪魔的に悪い訳ではない。 どちらも人並みに少しずつ悪いのだ。 これはサスペンスというより、夫婦のあり方を描いた作品だと思った。 ご夫婦での鑑賞、特にお互い会話も途切れがちな倦怠期のご夫婦での鑑賞はお勧めしません…笑。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Mar 12, 2004 10:12:55 PM
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