テーマ:映画館で観た映画(8561)
カテゴリ:映画鑑賞記録
"INVESTIGATING SEX"
監督・・・アラン・ルドルフ 原作・・・アンドレ・ブルトン『性に関する探究』(白水社) 出演・・・ダーモット・マローニー、ネーヴ・キャンベル、 ロビン・タニー、ニック・ノルティ、ジュリー・デルピー、アラン・カミング、ティル・シュヴァイガー、ジェレミー・デイヴィス、他。 ・物語序盤・ 1929年、大恐慌が起こる前のアメリカ。 エドガーは教授だったが、大学で問題を起こし失職、恋人のクロエにも愛想を尽かされる。 彼はパトロンである富豪ファルドの屋敷に居候し、性に関する研究を続けていた。 エドガーが思い立ったのは、性についての新たな実験。 それは数人の有識者の男性を集めて、セックスについて大らかに論議をさせるというものだった。 その一部始終を記録させる為に、速記の出来る若い女性アリスとゾエを雇うエドガー。 討論会には、作家モンティや画家セヴィらが参加して、性についてそれぞれの意見を述べ合う。 シュールレアリズムの中心的存在だった詩人アンドレ・ブルトンが残した討議録『性に関する探究』を基に作られた作品です。 タイトルから、エロエロな映画と勘違いされそうですが、ごく普通の映画です(笑) 一昔前の芸術家やインテリ達が集まって、セックスについて真面目に討論したというお話。 どちらかと言うと、観念的・哲学的な内容でしょうか。 でも決して重くはなく、むしろユーモラスで軽妙なタッチで描かれていました。 流石に映画館で観る程の価値は無いと思いますが、そこそこ面白かったです。 ただ扱っているテーマのわりに、もう一歩踏み込みが不足しているという印象ですね。 心に焼き付くような鮮烈な台詞が無くて、普通にだらだら喋っているといった感じでした。 ストーリー的にも群像劇という事もあって、全体的に散漫で核心に欠ける内容でした。 ニック・ノルティーがベテランらしい演技力で存在感を発揮していましたね。 ロバとのセックスの話はこちらも笑ってしまいました。 真相はどうなんでしょうか(笑)。 冗談と言われても、キャラクターからして本当の話のようにも受け取れますし。 屋敷の家具や小道具が個性的で印象に残りました。 手の形のドアノブや、人間の形の椅子など。 グロテスクな女性の裸体をモチーフにした収納ボックス(?)は、見た目にも笑えました。 おっぱい引き出しの取っ手は乳首だし…笑。 なんだか変なお屋敷です。 主人公のエドガーは、愛あるセックスこそ至上のものと考えながら、自ら進んで女性を愛せないタイプでした。 大勢の女性と関係を持ちつつも満たされず、目の前に現れた愛の予感には目を伏せる。 そして夢魔とのセックスに惑わされているという、頭でっかちなインテリにありがちな人です。 他の参加者達もそれぞれ個性的な人物なのですが、前述のようにどうも踏み込みが足りずに、どのキャラクターも精彩を欠いてしまいました。 題材になった舞台が一昔前なので、現代的にアレンジし直せば、もっと過激で面白くなったと思うので残念です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 27, 2004 11:44:20 PM
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