テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:映画鑑賞記録
"CAPTAIN CORELLI'S MANDOLIN"
監督・・・ジョン・マッデン 原作・・・ルイ・ド・ベルニエール『コレリ大尉のマンドリン』 出演・・・ニコラス・ケイジ、ペネロペ・クルス、ジョン・ハート、クリスチャン・ベイル、デヴィッド・モリセイ、イレーネ・パパス、パトリック・マラハイド、他。 ・物語序盤・ 1941年、第二次世界大戦下のギリシア・ケファロニア島。 医者の娘ペラギアは、教養は無いが純粋なマンドラスと婚約する。 しかしムッソリーニ体制下のイタリア軍が、ギリシアに侵攻し、マンドラスは兵士として戦地に赴く。 ペラギアは百通もの手紙を婚約者に送ったが、返事は一度も無く、心配のあまり胸を痛めていた。 その後、ギリシア軍はイタリア軍に勝利した。 しかし喜びも束の間、イタリアを後押しするドイツ軍は、ギリシア軍を敗退させ、周辺の領土へと侵略してくる。 平和だったケファロニア島もイタリア軍によって占領されてしまう…。 イタリアの占領軍を率いるのは、背中にマンドリンを背負った風変わりなコレリ大尉だった。 占領軍の兵士達も人殺しなどには縁の無い、陽気に毎日歌って踊っているような人々。 戦時中、占領する側とされる側という微妙な状況下で、人々はつかの間の平和な時を過ごすが…。 かつて第二次大戦において、枢軸国として同盟を結んで戦ったイタリアですが、途中で戦線を離脱した事もあって、彼等が大戦において、どのような役割を果たしていたのか、殆ど知りませんでした。 この映画は、ストーリー自体はフィクションですが、起った事に関しては、歴史的事実を基盤としています。 大戦途中で連合国に降伏したイタリア兵が、"昨日の友"であったドイツ軍によって、千名以上も殺害されていたという事実は本当に驚きでした。 このギリシアの島だけの話ですから、広範囲に対象を広げれば、もっと多くの犠牲者が出ていたと思われます。 大戦も途中でしたし、降伏後は大したトラブルも無く祖国に帰っていたと思っていただけに、正直言ってショックでした。 イタリア軍も苦労していたのですね…。 映画としてもなかなか面白かったですよ。 美しく知的なヒロインとパルティザンに身を投じた婚約者、そして占領者であるイタリア人大尉の、三角関係という恋愛を絡めつつ、ギリシアの孤島での近代史を描いています。 ペネロペは普段は色気を売り物にする摩れた女の役が多いのですが、今回はわりと純情で清純なタイプで好感が持てました。 コレリ大尉と婚約者の二股を掛ける形となってしまいましたが、元々婚約者とは共通点が少ないという事もあって、コレリ大尉に惹かれてゆく心情に、不自然さは感じませんでしたね。 人生の師とも言うべき、賢明で穏やかなヒロインの父親が良いですね。 叱責したり非難するのではなく、常に穏やかに語って諭すような態度が、優しく且つ威厳のある父親という感じで素敵でした。 婚約者と新しい恋の間で揺れる娘に対しても、愛とは何かとを説いて聞かせます。 恋をするのは簡単。 愛は恋が終わった後に始まるもの。 そんな思いを相手に対して抱けるのか? それが出来る相手を見極めなければならない。 個人的にドイツ人の将校に見初められて、少し仲良くしていたヒロインの友人が気の毒でしたね。 何も悪い事はしていないのに…。 島での蜜月の時が、脆い砂のに作られた楽園でしかなかった事を思い知らせました。 そして戦争の残酷さも…。 終盤近くにある地震のシーンは唐突な印象を受けましたが、実際にあの時期に起った事だったのですね。 どうも最近、地震の映像を見ると怖くて仕方が無いのですが…。 評判は今ひとつの作品ですが、個人的には十分楽しめました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Dec 9, 2004 01:28:54 AM
[映画鑑賞記録] カテゴリの最新記事
|
|