テーマ:試写会で観た映画の感想(680)
カテゴリ:映画鑑賞記録
1/15(土)より全国ロードショー。
"FINDING NEVERLAND" 監督・・・マーク・フォースター 出演・・・ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ジュリー・クリスティ、ラダ・ミッチェル、ダスティン・ホフマン、フレディ・ハイモア、イアン・ハート、ケリー・マクドナルド、他。 ・物語序盤・ 1903年のロンドン。 著名な劇作家ジェームズ・バリは、新作『リトル・メアリー』の公開初日を迎えて、神経過敏になっている。 観客の反応は思わしくなく、新聞でも批評家に扱き下ろされていた。 興行主のチャールズも渋い顔で、ジェームズに厭味を言い、劇場と俳優を押えてあるので、新作を書くように迫る。 気落ちしていたジェームズは、気晴らしに近所の公園に散歩に行き、そこで4人の幼い少年を連れた若い未亡人シルヴィア・デイビィスと出会った。 少年達と打ち解け、すぐに仲良くなるジェームズ。 しかし三男のピーターは、冷めた物言いでジェームズの空想を馬鹿馬鹿しいと言い捨てる。 ピーターは父親を亡くしてから、心を閉ざし、気難しくなったという。 その後、ジェームズはこの親子との親交を深め、彼等との遣り取りの中で新しい芝居の脚本のインスピレーションを得てゆく。 だが一方で妻であるメアリーは疎外感に苦しみ、夫婦の仲は悪化してゆく事に…。 劇作家として有名なサー・ジェームズ・マシュー・バリが、代表作「ピーターパン」を完成させるまでの経緯を実話に基づいて映画化した作品です。 今年2004年は「ピーターパン」初演から、丁度100年の記念すべき年だそうです。 とても丁寧に作られた、上品な作品だったと思います。 バリ役には、ジョニー・デップ。 彼らしく計算し尽くした役作りで、安定した演技を見せていました。 拘りの演技派として有名な彼も、そろそろ賞が欲しい所でしょうが、どうでしょうかね。 観ているだけで幸せな気分にさせてくれる甘いマスクは、今回も健在です。 本人はそういう面はクローズアップされたがらないでしょうけど、私は麗しいお顔を観ているだけでニヤニヤ(笑)。 肝心の中身というかストーリー面なのですが、個人的には、どうもバリの性格や行動に好感が持てませんでした。 元が実話なので、役者や脚本家が悪いという次元の問題ではないのですが。 結局の所、不倫関係の美化・正当化としてしか映らないのですよね。 作品中では、未亡人とバリとの関係は飽く迄"友情"という設定にしてありますが、実際はそうではなかったでしょう。 それに一歩譲って、二人の関係がプラトニックだったとして、それが弁解になるでしょうか? 精神的に配偶者を裏切っているなら、妻から見れば、肉体関係があろうとなかろうと、孤独感は同じです。 更に映画では二人が出会った時、シルヴィアは未亡人という設定でしたが、現実には夫は健在だったようですし、映画の外に存在する現実に目をやっても、単なる婚外の恋愛関係ではないかと冷めてしまいました。 いくら綺麗事でデコレートされようとも、バリの行動や人格に批判的な気持ちを抱いてしまったので、子供達との交流にも素直に共感ができませんでした。 他人の子供に入れあげる暇があったら、自分の家庭を顧みなさいよって感じです。 ただ世界中に愛されるファンタジーも、それを作り出すのは血の通った、時に過ちも犯す、苦悩を抱えたごく当たり前の"人間"なのだなぁという事実を再認識する事はできました。 素晴らしいファンタジーの作り手は、決してファンタジックな人間ではないという事です。 映画のヒロインとしては、無条件に愛されるケイト・ウィンスレットより、孤独と不安に耐える妻役のラダ・ミッチェルの演技の方が、出番は少なくとも胸を締め付けましたね。 あと、劇中でピーター・パンを演じたケリー・マクドナルドが、チョイ役のわりに綺麗で印象に残りました。 子役ではピーター役のフレディ・ハイモアも上手いのですが、四男マイケル役のルーク・スピルが、デビュー作ながら可愛い演技を見せていました。 作品全体としては、佳作だとは思いますが、個人的には、心を揺さ振られる程のインパクトはありませんでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Dec 18, 2004 06:33:35 PM
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