テーマ:試写会で観た映画の感想(680)
カテゴリ:映画鑑賞記録
全国主要都市にて順次公開。
監督、脚本・・・荻上直子 出演・・・関めぐみ、小林きな子、蓮沼茜、橋爪遼、細山田隆人、高岡早紀、中村靖日、嶋田久作、もたいまさこ、柄本明、杉本哲太、他。 ・物語序盤・ 松尾高校は統廃合を二年後に控えていた。 最後に一花咲かせようと、高校野球で甲子園を目指していたが、敢え無く敗退してしまう。 校長は高校が無くなる前に、少しでも校名を残そうと、あらゆる大会に生徒達を出場させる事に。 気弱な国語教師の高田には、俳句甲子園への出場を命じた。 一方、帰国子女で、日本の校風に馴染めない高山治子は、担任から日本の心を学ぶようにと、俳句甲子園への参加を半ば強制される。 他に集まったメンバーは、デブが原因でチアガールを辞めさせられたマコ、治子に憧れるウクレレ少女ピーちゃん。 更に万年補欠の野球部員山岸と、高田が顧問だった写真部の唯一の部員土山の合計五人だった。 山岸以外は、俳句など作った事も無い素人ばかりであるが…。 俳句甲子園は、俳人にゆかりのある愛媛県松山市で毎年8月に開催される実在の大会です。 何か特別凄い事や意外性などはなく、予定調和の内に流れてゆくストーリーでしたが、爽やかな青春ムービーだったと思います。 高校生と俳句というミスマッチな取り合わせが良いですね。 連想するとすれば「スウィング・ガールズ」の俳句版でしょうか。 最初は全く見込みもやる気も無い生徒達が、いつしか俳句を作る楽しさに目覚めてゆき、最後には開花するという展開です。 コミカルでそれでいて温かで爽やかで、青春の特権のような映画でした。 キャラクター一人一人に味があったと思います。 俳句部の五人は勿論ですが、脇役の大人達も良い味を出していました。 顧問役の杉本哲太は、朴訥で不器用だけれど、一生懸命俳句本来の楽しさを伝えようと努力する姿が好印象でしたね。 対する敵役の古池高校の面子が、如何にも悪者で笑えます。 こちらは俳句一筋、担任役の嶋田久作の下、スパルタ教育を受けて、優勝候補の筆頭です。 揃いのTシャツの胸に「句」という一文字が可笑しい。 嶋田久作もいつもとは打って変わって、滑稽な悪者役を楽しそうに演じていました。 言葉のニュアンスがそのまま伝わって、笑いに繋がるというのは、邦画ならではですよね。 少なくともネイティヴ並に英語の出来ない私にとっては、唯一媒介無しで感情や情景を理解できるジャンルです。 小振りな作品ですが、邦画も楽しいなと思わせてくれる1本でした。 肝心の俳句についてですが、俳句に全く疎い私は、参加した学生達が披露した俳句の善し悪しが判りませんでした。 時折、理解できない単語などが入っていて、どういう意味なんだろうと一人焦っていました。 それに応えるように、メインの五人組が質疑応答の時に、初心者丸出しの質問をしてくれて、なるほどと納得していたのですが(笑) 個人的に少し手直ししてほしかったのは、カメラ部の少年の独白部分が多かった事。 他のメンバーには独白シーンは無いのですが、彼だけが心の声を吐露しています。 バランス的にあまり良くなかった気がしたので、削ってしまった方が良かったように感じました。 でもなかなか楽しい作品を撮る、期待できる女性監督ですね。 ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 11, 2005 09:17:33 AM
[映画鑑賞記録] カテゴリの最新記事
|
|