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MY HIDEOUT ~私の隠れ家~

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Jun 3, 2005
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カテゴリ:映画鑑賞記録
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"MILLION DOLLAR BABY"
監督・・・クリント・イーストウッド
原作・・・F・X・トゥール『テン・カウント』(早川書房)
出演・・・クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン、アンソニー・マッキー、ジェイ・バルチェル、マイク・コルター、ブライアン・オバーン、マーゴ・マーティンデイル、マイケル・ペーニャ、他。

・物語序盤・
フランキー・ダンは、ロサンゼルスのダウンタウンで、寂れたボクシング・ジムを経営する老トレーナー。
ウィリーという有能な黒人ボクサーを育て上げたが、タイトル戦になかなか挑戦させない為、ウィリーは他のマネージャーと契約を結んで、彼の元を去ってしまった。
そんな折、マギー・フィッツジェラルドという女性が、フランキーの指導を受けたいと志願してくる。
しかし女性ボクサーは指導しないと、フランキーは拒絶した。
マギーは昼間はウェイトレスの仕事をしながら、ずっとボクシングの練習を続けてきた貧しい女性。
彼女は断られても諦めず、フランキーのジムに通い続ける。
そんな彼女をフランキーの親友で、ジムの管理係をしている元ボクサーのスクラップが世話をし始めた。
そして遂に頑なだったフランキーも、マギーのトレーナーを引き受ける事に。

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アカデミー賞で作品賞、主演女優、助演男優、監督賞の計4部門を受賞した作品です。
取り敢えず、最初の感想は「ビックリした」です。
まさか、こういう映画だったとは。
予告編を観ている限り、皆さんそうだと思いますが、ボクサーとしては年齢の行き過ぎた女性が、逆境を跳ね除けてボクシングに打ち込み、勝利を手にしてゆくサクセス・ストーリーだと思いますよね。
ところが蓋を開けてみると…、なんですね。
本当に驚きました。
と、同時に、観ながら、ぼんやりと考えていました。
「これって、そんなに素晴らしい映画なのか?」と。
アカデミー賞作品賞を受賞したという事は、その年作られた映画の中で、最高の作品という事ですよね、一応、安易な解釈上。
それがこの作品だというのでしょうか?
個人的に、感動もしなかったし、取り立てて、素晴らしい映画だとは思いませんでした。
勿論、普通の映画の基準から言えば、充分見応えのある映画だとは思いますが。
でも全ての頂点かと言われると、否と感じてしまうのです。
今迄もしばしば感じた事ですが、アカデミー賞の基準て、重い暗いテーマ=上質の映画という公式が成り立っていますよね。
私は重ければそれで良いのか?と、どうしても反発せずにはいられませんでした。

映画の中身についても語りたいと思います。
演技の面では何も文句はありません。
ヒラリー・スワンクのボクシングは、厳しいトレーニングを積んだ事が滲み出ていました。
音響効果で補っている面もありましたが、スピード感のあるパンチだったと思います。
ボクシングのシーンは、本当に興奮して血が騒ぎました。
またそれぞれの登場人物の背景が、ドラマをより深く演出していますね。
ヒロインの、貧しい生活が故に、浅ましく歪んだ卑しい家族。
トレーナーには娘が居るらしいが、手紙はいつも彼の元に戻ってくる。
どういう状況なのかは、観客が想像するしかない。
そして、試合中の怪我で片目を失明し、引退した老ボクサー。
全ての人が痛みを抱え、孤独の中で一人戦い続けています。
その人々の間に生まれた堅い絆。
"モ・クシュラ"と書かれたヒロインのガウン、その意味は…?

今回も音楽は監督自身が作曲していました。
どれもとても静かな音楽で、BGMもあまり無い作品なので、映画全体が静寂に包まれています。
そこにモーガン・フリーマンの低く穏やかな語り口が響いてくる訳です。
魅せる演出として、小技が上手いですね。

ラストの選択は、自然に受け入れられました。
私も彼女の立場なら、そうしてほしいですから。
ボクサーになる事だけを夢見て、人々の歓声に包まれた彼女にとって、生きる事はボクサーとしてリングに上がる事だけだから…。

1本の映画としては嫌いではないですが、疑問も感じました。
「ミスティック・リバー」もそういう意味では、首を傾げる部分もありましたからねぇ。
アカデミー賞ってそういうものと割り切ってしまえば良いのですが。


蛇足ですが、映画館で私の後方に座っていた人が、途中から鼻をぐすぐすし始めました。
泣くのは仕方ないけど、息をする度に、ずずっずずって…。
物凄くイライラ。
そこまで泣く映画かよ?!
私はこの人のせいで、目すら潤まなかったです。

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最終更新日  Jun 5, 2005 08:24:12 AM
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