テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:映画鑑賞記録
"VERONICA GUERIN"
監督・・・ジョエル・シューマカー 原作・・・キャロル・ドイル 出演・・・ケイト・ブランシェット、ジェラルド・マクソーリー、シアラン・ハインズ、ブレンダ・フリッカー、バリー・バーンズ、サイモン・オドリスコール、コリン・ファレル、他。 ・物語序盤・ 1996年6月26日、アイルランドのダブリン。 サンデー・インディペンデント紙の名物記者ヴェロニカ・ゲリンは、道交法違反の件で裁判所に出向いていた。 スピード違反に駐車違反と様々な違反行為を繰り返していたが、何とか免許取消を免れ、罰金刑だけで済んだ。 しかしその帰り道、彼女は何者かに襲撃を受ける…。 その二年前。 ヴェロニカは私生活では、夫グレアムと息子のカハルと共に暮らす一般的な女性だった。 しかし彼女は、幼い少年少女達まで蔓延している麻薬被害の実態に憤りを覚え、精力的に危険な取材を繰り返すジャーナリストでもあった。 彼女は情報屋のトレーナーなどから、麻薬ディーラーの情報を仕入れ、麻薬組織の核心に迫ってゆく。 しかしそれは彼女や彼女の家族を危険に晒す行為でもあった…。 実話に基づいて作られた作品です。 最初から主人公が組織の差し向けた殺し屋の凶弾に倒れた事が判っているので、その場面に近付いてくるのが切なかったですね。 初めから承知していた結末なのですが、ラストでは泣いてしまいました。 彼女の友人や家族達の衝撃や悲しみは、どれ程大きかった事でしょう。 彼女が危険な仕事に携わっている事は理解していても、最悪の結果は予想したくなかったでしょうに。 でも同時に、ジャーナリストとして社会の暗部に踏み込み、麻薬売買で甘い汁を啜っている連中の所業を、白日の下に晒したいというヴェロニカの執念は理解でき、共感もしました。 命の危険を賭しても、やり遂げなければならない事が人生にはあるのですよね。 そういう使命を持って日夜孤独な戦いを続けている人々を、私は尊敬し羨望しています。 自分には命懸けでできる何かが無いから。 考えてみると、いや改めて考えるまでもなく、私の人生って空しいカスみたいなものだなぁ…。うーん、凹み。 だからこそヴェロニカが、恐ろしい脅しを掛けられ、内心ではひどく怯えながらも、絶対に屈しなかった気持ちが良く判りました。 しかし麻薬犯罪の摘発や壊滅に、彼女の死が必要だったと考えると切ないです。 彼女は民衆や政府を鼓舞する為の生贄の羊だったのでしょうか? 社会の荒廃は些細な非行から始まります。 もっと沢山の人々が、日頃から自分の周りで起きている荒廃の兆しを察知し、これらを見過ごさない社会体制が必要だと感じました。 ケイト・ブランシェットはどんな役でもこなす才能豊かな女優さんですが、やはりこういったシリアスな役が一番ハマりますね。 見応えのある社会派作品でした。 ところでコリン・ファレルは何故出てきたのかと思ったら、アイルランドのダブリン出身なのですね。 カメオ出演ですが、相変わらず濃い~お顔でインパクトがありました(笑)。 ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jun 19, 2005 09:45:49 AM
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