テーマ:試写会で観た映画の感想(680)
カテゴリ:映画鑑賞記録
7/2(土)より全国ロードショーです。
"MARATHON" 監督・・・チョン・ユンチョル 出演・・・チョ・スンウ(ユン・チョウォン)、キム・ミスク(キョンスク)、イ・ギヨン(ソン・チョンウク)、ペク・ソンヒョン(ユン・チュンウォン)、アン・ネサン(チョウォンの父親)、他 ・物語序盤・ チョウォンは自閉症の少年。 一家は両親と健常者の弟の4人暮らし。 しかし障害を抱えるチョウォンの存在で、家庭内は争いが絶えずギクシャクしていた。 チョウォンを気遣うあまり、夫や下の息子を等閑にしている母親キョンスク。 やがて月日は流れ、チョウォンは二十歳の青年になった。 子供の頃から走る事が大好きだったチョウォンは、母親に連れられて、マラソン大会に出場し、好成績を収めた。 息子の長所を伸ばしたいと考えるキョンスクは、元有名ランナーのチョンウクに、コーチを依頼するが、彼はただ闇雲に全力疾走するだけのチョウォンにフル・マラソンは無理だと拒絶する。 決して悪い映画ではないと思うんですよ。 ただ私は乗り切れず、途中で冷めてしまいました。 単に波長が合わなかったという事でしょう。 あと、宣伝が大袈裟過ぎて、期待が膨らんでいたのもマイナス要因でした。 もっと心に響いて、感動できる作品だと思い込んでいたんです。 チラシの宣伝文句に「韓国で500万人が号泣」というような内容が書かれていたので、泣ける映画なのだなと。 結論から言うと、泣けるタイプの映画ではありません。 わりと軽いタッチの笑いに重点を置いた作りになっていました。 真面目なストーリーでもコメディ感覚の作風にするのは、韓国の風潮ですよね。 その辺が私には、ちょっとついて行けない部分がありました。 また、これは映画そのものとは直接関係無いのですが、観客の反応が私には気になりました。 自閉症という深刻な病気を扱っているにも拘らず、時折ジョークを交えて描いているので、観客がコメディ映画と勘違いしているみたいなんですよね。 ここは真面目な部分だよ、という所でも、あちこちで笑いが起こっていて、私は自閉症という病気を軽んじられた気分になって不愉快でした。 勿論、これは映画の主旨を理解せず、笑えばいいのだと勘違いしている日本人がいけないのですが…。 多分、自宅で一人で鑑賞していたら、もっと評価が高くなったと思うので残念でした。 とにかく会場の観客の質が悪かった。 (後ろのオバサン、ずっと喋り通しだったし…(-_-;)殺したかったっす、マジで。) 実話が元になっている映画ですが、現実はもっと厳しかっただろうなぁと想像できます。 家族の問題もわりとさらっと描いていますが、障害児を抱えるという事は、本当に深刻な問題です。 母親は障害児の息子に掛かりきりで、父親はそんな妻に嫌気が差して、殆ど家に帰らない。 そして健常者の弟は、母親の愛情や注目を受ける事ができず、一人冷え切った家庭の中で孤独を味わっている。 コーチが母親に言った言葉は、まさに核心を突いていたと思います。 息子が居なければ生きていけないのは母親の方だと。 支えているつもりが、いつの間にか、母親の方が障害者の息子に依存するようになっていたのですね。 チョ・スンウの演技は、上手いのかあざといのか、微妙なラインだと感じました。 韓国のお国柄だから仕方ない話ですが、とにかくコミカルに演技しすぎ。 自閉症にせよ何にせよ、障害を持つという事は、笑い事ではないのです。 5歳の心を持った20歳の青年? そんな生易しいものじゃありませんよ。 自閉症患者は、可愛い子供とは違うんです。 少なくとも、この映画を観て、自閉症への理解が深まるというタイプの作品ではないですね。 軽く爽やかな娯楽映画と思って観る分には、そこそこ面白い映画だとは思いますが。 ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jun 22, 2005 01:22:50 PM
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