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カテゴリ:映画鑑賞記録
"THE FLOCK"
監督・・・アンドリュー・ラウ 出演・・・リチャード・ギア、クレア・デインズ、アヴリル・ラヴィーン、ケイディー・ストリックランド、レイ・ワイズ、ラッセル・サムズ、マット・シュルツ、クリスティーナ・シスコ、他。 ・物語序盤・ 公共安全局に18年間、性犯罪者の監察官として勤務していたエロル・バベッジは、行き過ぎた勤務態度が原因で、職を追われようとしていた。 後任としてやってきたのは、アリスン・ラウリーという若い女性。 エロルはアリスンに仕事の引き継ぎとして、担当地域内の性犯罪者達に面会しに行く。 しかしエロルは、質問リストに無い、プライベートな内容まで彼等に質問を繰り返し、アリスンは反発を覚えた。 強姦罪で摘発された後司法取引で自由の身になったエドマンドや、変質的な性行為を好むグレンを、次々に脅迫してゆくエロル。 以前、夫婦で多数の女性を、長期に渡って切り刻んだ挙句に殺害していた犯人の一人、ビオラは司法取引のお陰で釈放され、現在は理髪店で働いていた。 ビオラは最初の被害者は自分で、夫から同様の暴力を受けていたのだと、アリスンに訴える。 エロルは全く信用していないが、アリスンは彼女に同情していた。 そんな折、ハリエットという少女が、乗馬練習の帰りに突如、失踪してしまう事件が発生する。 警察は当初、誘拐の可能性もあるとして捜査していたが、本人から電話があったとして、単なる家出と断定する。 しかしエロルは、絶対にハリエットは拉致監禁されていると確信していた。 元々優秀な監察官だったエロルは、アビゲイルという少女の失踪以来、人が変わったという。 アリスンは、これを最後に全てを終わりにすると約束させて、ハリエットの捜索に協力するのだった。 アンドリュー・ラウ監督、ハリウッド・デビュー作品。 ダークな社会派サスペンスです。 アメリカでは、過去に性犯罪を犯した人物をネットに登録して、一般市民に情報を提供しています。 日本でも、是非実施してほしいシステムですが、この映画はそのシステムの盲点を突いた脚本になっていて考えさせられましたね。 性犯罪者の危険から、一般市民が身を守る為に提供された情報網が、同じ性癖を持った性犯罪者同士の出会いの場になっているという現実。 日本でも、"闇の職安"なるサイトが取り沙汰されて問題になっていますが、危ない奴が同類の仲間を探せるサイトとして利用されているというのは恐ろしいですね。 序盤とラストに読み上げられる文章。 「深淵を覗く時、深淵もまた、こちらを覗いているのだ。」 ニーチェの著書「ツァラトゥストラはかく語りき」の有名な一節です。 「怪物と戦う者はその過程で自分自身も怪物になることのないよう留意せよ。」 この作品で、エロル・バベッジは正に、深淵を覗く者です。 残忍な性犯罪者達を監視し、新たな犯罪を起さないように目を光らせる。 毎日新聞を隅々まで読んで、性犯罪の事件を丸で囲み、自分の管轄内の犯罪歴のある者の仕業ではないかと調べ上げている。 極悪非道なモンスター達と戦い続け、奴らを憎悪するエロルは、いつしか自分も彼等を惨殺したいという欲望を抱くモンスターとなりつつあった。 全米で性犯罪者は50万人以上。 一人の監察官が担当する性犯罪者は1000人だそうです。 監視が適切に機能する人数ではないですね。 バベッジも適当に事務仕事として、監察官をやっていればクビにはならなかったのですが、性犯罪と登録者達への怒りから、踏み込んではいけない場所へと進んでしまいます。 と同時に、観ている私も、深淵を覗く者になってゆくのですよね。 こんな奴らは人間じゃない。 殺してしまえば良いんだ。 そんな気持ちになってゆきます。 因みに、"FLOCK"とは「群れ」という意味。 映画では登録者達の事を"FLOCK"(奴ら)と呼んでいました。 人気歌手のアヴリルが、殴り屋の強姦魔の恋人ベアトリス役で、短い役を演じています。 しかし彼女の最期は悲惨です。笑。 (アヴリル自身が出てくるのは最初だけですが。) ファンとしては複雑かも。 しかし、幾ら救出されて、命は助かったとしても、あんな目に遭わされたら、その後の人生は完全に狂ってしまいますよね…。 ただレイプされただけでも、心に一生傷が残るのに、血も凍るような怪物共に監禁されて。 一生、立ち直れないでしょう、あの恐怖のダメージからは。 悪人の皆さん、お願いですから、レイプしたら楽に殺して下さい。 トラウマ抱えたまま生きていたくないけど、時間を掛けて嬲り殺されるのも厭だから。 ↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Sep 2, 2007 06:19:07 AM
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