テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:映画鑑賞記録
監督・・・白石晃士
出演・・・佐藤江梨子、加藤晴彦、水野美紀、川合千春、桑名里瑛、松澤一之、坂上香織、滝沢涼子、柳ユーレイ、入江紗綾、他。 ・物語序盤・ 昭和50年代に一世を風靡した都市伝説"口裂け女"の噂が、とある郊外で、再び広がり始めた。 最近出没する口裂け女は、子供を連れ去ってしまう凶暴な女らしい。 口裂け女が夕方五時に現れるという公園で、真相を確かめようと待ち構えていた三人の少年の前に、女は現れ、瞬く間に一人の少年を拉致して姿を消した。 事件発生によって、小学校では集団下校が始まる。 まだ赴任して間もない山下京子は、教え子送り届ける途中、目の前で彼女を、口裂け女に攫われてしまった。 京子には離婚した夫との間に幼い娘が一人居た。 しかし自分で抑えようとしても、娘に暴力を振ってしまう京子は、夫に養育権を渡していた。 同様に、拉致された少女・美佳も、母親から日常的に虐待を受けていた。 京子の同僚教師の松崎昇は、口裂け女が子供を攫う際、決まって誰にも聞こえない不気味な声を聴いていた。 昇は京子に一枚の写真を見せる。 それは京子の前に現れた口裂け女と同じ顔をした女だった。 昇はその写真が30年前のもので、被写体は自分の母親・タエコだと打ち明ける。 タエコは精神的に病んでおり、昇達兄弟に壮絶な暴力を振っては、その行為を悔いて泣く女だった。 自分の母親が今回の事件に何らかの関係を持っていると確信した昇は、京子と共に、口裂け女の謎に迫ってゆく。 「ワタシキレイ?」じゃなくて「ワタシヲキレ」なのね。 なかなか良かったです。 でも期せずして、児童虐待ネタが続いてしまい、個人的にはまたか…と思いましたが。 刺され切られて、瀕死の状態になっている加藤晴彦の腹に、無機質な蹴りを入れ続ける水野美紀が、ある意味、残虐度マックスです。 悲鳴と血飛沫で大騒ぎするスプラッタ映像より、無言でドスッドスッと、無抵抗の相手を繰り返し蹴るという行為は恐怖に満ちています。 加藤晴彦、エライ事になってましたね。 躊躇なく両足首の腱を切るというのもエグいなぁ。 加害者が無感情なだけにエグいんですよ。(^_^;) 屠殺業者の作業のように手慣れていて、そこには感情の動きが感じられない。 京子と昇が、事の始まりから、全く警察を当てにしていない所が、一般市民的には異様に映りました。 事件の内容が尋常でないので、冷静に考えると、警察に通報すれば逆に自分達が容疑者にされてしまう恐れが大である事は判るのですが。 人が死んでも、ほんの一瞬も、警察に電話しなければ、という考えが脳裏を掠めない二人って凄いかも。 一切取り乱さないもんね。笑。 淡々として、その場から去り、ターゲットだけを追い続ける。 「公権力は一般人を助けてはくれない」という現実を、身に沁みて理解してしまってる二人だからでしょうか? どんなに残酷な虐待の事実があろうが、公権力は死人が出るまで、本格的には動きはしない。 警察とは残務処理をする為に存在する機関。 問題は自分で解決しなければならないし、敵と戦うのも飽く迄自分。 何処か諦めにも似た、肝の太さを持っている二人なのでした。 その割に、京子、動きが悪くて、戦力にならねぇ…。 昇がやられていても、あっさり置いてゆくし、傍観者かよ!とツッコミ入れそうになります。 その辺の感覚も、虐待を経験した人間特有のものなのか…? 浮世離れした感覚(?)の人達がメインなので、行動が逐一、少し変なのです。(^_^;) どうしても普通の目線で観てしまう私は、「取り敢えず、そこで警察に電話だけでも入れておこうよ…。携帯くらい持ってるよね。」と思ってしまう所が何度もありました。 美佳の母親・真弓も、"口裂け女の秘密基地"に、単身乗り込んできますが、君達全員、命知らずだなぁ。 だから突入する前に、警察に一報だけは入れておこうって…。 事件が一応の解決を見た時、結局、警察は犯人を誰として片付けたのだろう? ネタバレになりますが、敵は次々と違う相手に憑依する霊ですから、残った死骸は全員、近所の奥さん達な訳で…。 現場に残った奥さん達の死体と、事件の経緯を、どう結び付ければ無難な筋書きと出来るのか。 口を切り裂かれて、放置された少女なんて、その時の犯人は実の母親…。 その後の人生の艱難辛苦を考えると、下手に生き残らない方が良かったような。 虐待の被害者だった少女も同じく、天蓋孤独で生き残って、その後、誰がケアしてくれるんですか。 ラストはお約束の締め括り方です。 世に児童虐待の種尽きぬ限り、口裂け女の魂も又、不滅なのです。 口裂け女のルーツを解き明かすという、サスペンス的な要素があったのが面白かったですね。 「私を切れ!」って、切っても無駄じゃん、アンタ! 成仏したいのなら、実効的な殺し方を教えてくれよ。 ↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Sep 14, 2008 02:50:09 AM
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