先日のこと。いつものようにこはるが生意気な事を言っていて私の逆鱗に触れ、なほが『早く母さんに謝るよう』促しても、『どうせ許してくれんもん』という独自の理論（？）に基づき頑なに謝罪を拒否してとうとう私が爆発して手を上げた日の事。
玄関にこはるを突き落として大声で怒鳴り上げ、説教を超えて口汚く罵る私。成すすべも無く後ろで踊ってる（笑）なほ。寒い玄関で裸足で泣きじゃくるこはる。正に阿鼻叫喚。
とにかく謝っても許してくれんから謝らんとは言語道断だという旨を伝え、許してもらえんくらい悪い事をしたんなら許してもらえるまで謝るのが人の道だと諭し、１番チビのくせに１番えらそうにしてるのはおかしいし、母さんの言うこともお姉ちゃんの言うこともきかんといけん、と３０分以上にわたってそりゃもー大声で怒鳴りながら叱って、いい加減喉が痛くなったので止めようと思って『今母さんが言った事分かったんか？！』と問いただしたら、泣きながら『声が大きすぎてよぅ聞こえんかった』とのたまった。
一気に脱力して言葉を失ったが、こはるの言うことはもっともだ。
上から見下ろされて大声で怒鳴りあげられて時にはピシャリと手や足が飛んでくる状況では恐怖感が先にたって言葉の意味など伝わるわけが無い。こんな状況で自分の意見（？）が言えるこはるにちょっぴり尊敬の念も抱いたが、私は怒り過ぎだと痛感した。
とは言えクチで言っても言うことを聞くタマではないのでそりゃ手も足も出るし声だって大きくなるし言葉づかいも悪くなるけど、きっと他にいい方法はいくらでもあるはずで、それが思いつかないからと威圧することばかりではダメだと思う。
“躾のなってない子”になるのがイヤで厳しくしてるが、なほはバカだけど心根の優しい子だと思うし、こはるは頑固だけど物怖じしない明るい子だと思う。もうちょっと“お利口さん”になって欲しいから結局またクドクド叱るんだろうけど、２人には曲がらずに育って欲しいと思う。

こはるは叱ると必ず口ごたえをして余計こっちは腹が立つんだけど、後で必ずこっちが反省させられる。なほは口ごたえはしないが結局叱られたところも直らないので結局効いてない事には変わりない。同じなら思ってる事を言えるこはるの方がマシじゃないかとさえ思う。

こういう話を彼氏にすると、彼は私より厳しいのでちっとも心が晴れん。絶対『アンタは甘すぎる。悪い事は悪いとちゃんと理解させないけん』と怒られる。そりゃそーなんだけど、考えてみればたった６歳の子のした事で、別に他人様に迷惑かけたワケでもなく、部屋を散らかしたとかご飯をちゃんと食べなかったとかこぼしたとか、うるさかったとか姉妹ケンカしてヒステリーを起こして物を投げたとかそんなモンだ。まぁいつも『するな』と言ってる事をした、ってのが叱られる原因なんだけど、そんな怒り狂うほどの事件ではない。

以前彼の友人Ｎさん（一緒に働いている）が言ってた言葉が心に残った。
『手を上げるってゆーのは最後の手段だと思うんですよ。いつも叱られてて“この人はこんなに恐いんだからこの人が本気になって殴られたらどんなに大変な事になるんだろう”と思わせといて、本当～～～にどーしよーもなく悪い事をした時に遂に手を上げて、自分がどれほど悪い事をしたかを知らしめる為の切り札にしなきゃ。アンタみたいにいっつも気軽に手を上げてたらもし将来本当に悪い事をしてしまった時にもう手段がないじゃないですか』と。
そりゃ言い返す言葉としては、その“本当に悪い事”をさせない為に小さい事でも強く叱ってるんだけど、叱りすぎても意味が無いとも思うので、Ｎさんの言う事はもっともだ。

彼に言わせれば、『Ｎは当然子供もおらんし子供と接する事もないから理想論が言えるんだ』ってなモノだけど、Ｎさんは身近に子供がいない分、“子供の立場から見た”意見を言ってくれるので、大変参考になる。またＮさんは自分の子供の頃の気持ちをやたら良く覚えてる人だ。私が子供の言った言葉ややった行動をボヤいてると、『あぁ、僕もそんな風に思ってました』って感じで聞いてくれる。しかもＮさんは自他共に認める究極の子供嫌いなんで、決して子供の肩をもつワケでなく、まったく純粋に中立の意見を言ってくれるので面白い。彼はＮさんと違って自分も厳しく育てられたし全面的に私の味方なのですぐに子供が悪者にされる。そーじゃないのよね、叱りすぎた私をたしなめて欲しいのに結局子供達が私を怒らせたのが悪いんだから私を怒らせないイイ子にさせなきゃダメだ、って結論になる。・・・そんな子キモチワルイよね(~_~;)