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カテゴリ:プチ研究
【まえがき】
学ぶ楽しさ、知る楽しさは、テストとは無縁である大人こそより感じ得るものです。 しかし、せっかく知識を仕入れても忘れてしまうのが人の性。 それを防ぐのが、人類の偉大な大発明である 『ノート』 です。 是非とも好きなサイズのノートを用意して、プチ学習してみることをお勧めいたします。 知っている事、知らない事を色ペン等を使ってノートにメモするのは存外と楽しく、 様々な内容が書かれたノートを見返すのは、なかなかに面白いものです。 MASA ---------- (前回の続きです) 軽く復習すると、 ・水蒸気は気温によって溶け込む量が変化する ・グラフの曲線が湿度100%のライン ということでした。 ---------- 飽和水蒸気量グラフは、水蒸気量を柱にして考えるのがコツです。 水の柱が曲線にくっついたら、それが湿度100%になります。 気温によって飽和水蒸気量は変化するため、 湿度50%とひと口に言っても水蒸気量は気温によって異なります。 図1 : 湿度50%における気温10℃と35℃ 例えば湿度50%で、気温10℃ と 35℃の場合が図1です。 赤い柱が水蒸気です。 気温10℃で湿度50%ならば、水蒸気量は約5グラム、 気温35℃で湿度50%ならば、水蒸気量は約20グラムとなります。(グラフから読み取れるでしょうか) つまり湿度というのは、湿度だけの数値では何の意味もなさないのです。 湿度100%でも気温が10℃であるなら、それは気温35度における湿度25%に相当します。 (↑この1行をグラフから納得できたでしょうか。 よくわからなかったら遠慮なく質問してください) ---------- それでは、氷水のコップが冷や汗をかく 『結露』 の説明です。 仮に、部屋の中が、気温30℃、湿度100%だとします。 この空気を15℃に冷やすと、図2のように水の柱が30℃から15℃までスライドします。 すると、はみ出た分は15℃の飽和水蒸気量を超えているため、水蒸気として空気に溶け込めず 液体の水となって結露が生じます。 図2 : 結露の仕組み 気を付けて欲しいのは、湿度は変わらず100%であるということです。 湿度100%だからと言っても、空気が潤っているわけではないのです。 ---------- 次に、インドカレー屋において氷水の入ったコップが結露しなかった理由です。 それは、気温を下げても、水の柱が飽和水蒸気量の曲線をはみ出さなかった為です。(図3) (インドカレー屋の室内を気温20℃、コップの表面温度を5℃と仮定) 図3 : 我、結露せず このことより、インドカレー屋がいかに乾燥していたかが分かります。 前回emairさんのコメントにあった、「エアコンで温度を上げると空気が乾燥する」 というのは、図3における逆矢印のことに相当します。 水蒸気量を変化させずに温度を上げると、湿度は下がるのです。 ---------- 『湿度』の話は以上です。 納得できたでしょうか。 図4を見ながら、次の(1)~(3)が答えられれば、『湿度』免許皆伝です。 解答は一番下にあります。 (1) 飽和水蒸気量とは、どれくらいの体積の空気に溶け込む水蒸気のグラム量でしょうか。 (2) 図4より、気温40℃、湿度100%のときの水蒸気量はいくらでしょうか。 (3) 図4より、気温15℃、湿度25%のときの水蒸気量はいくらでしょうか。 図4 何か質問がありましたら、遠慮せずに挙手してください。 ---------- (1) 1立方メートルの空気 (縦・横・高さが1メートルの空気) (2) 51.2グラム (気温40℃から上に指でなぞっていって、グラフにあたれば湿度100%) (3) 3.2グラム (気温12℃の湿度100%は12.8グラム。湿度25%は100%の4分の1なので、12.8÷4=3.2グラム) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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