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カテゴリ:◎2次裏書
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茶色い肌に、薄茶の髪。 生まれた子は、母親にそっくりだった。 彼女を娘のように思う私からすると、孫が生まれたかのように嬉しかった。 一人目、その子の2つ上の子は、父親にそっくりだったから猶更。 「本当に貴方に似てるわ」 「……そうだね」 一次的な里帰りのように、現在彼女は生まれたばかりの子と上の子二人を連れ、私達の家で暮らしている。 彼女の顔は暗い。 ……この子が生まれても、父親ー彼女の夫は未だに親らしくならないんだろうか。 ……どうなのだろう。 私は、ポジティブに装いながらも、常に最悪のケースを予想せねばならない。 何があったのか。…これから、何が起こりうるのか。 「二人も育てられるか心配?」 「……うん」 一人目なら、分かる。 しかし、その一人目の子育てが大きな失敗もなくー日々小さな失敗は途切れることがないがー続いているのだから、なんとか健やかに育っているのだから、憂いを帯びた目には、……心の底では助けを求めるような声には、何か他の原因があるのではと思えてならない。 「育てきれるかどうか心配?」 「…………大丈夫、だよ。こう見えてあたし、丈夫だし。馬鹿で丈夫なのが、取柄だから」 全然そうは見えないけど。 周囲の空気を読んで、賢過ぎて。 案外もろい部分をその賢さで守って。 それが彼女という人間。 「……あたしが、あなたにはついてるから」 「……ありがとう」 そう、彼女の夫が喩え彼女の側に立っていなくても。 あたしは、皆の親だから。 平等に、それでもひときわ心配な子を、誰にも知られずに泣きそうな子を、生き延びる力が低い子たちを、助けないと。 Last updated 2017.10.29 13:47:52 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.11.12 22:54:03
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