1452942 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Laub🍃

Laub🍃

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

プロフィール

長押 綴

長押 綴

カレンダー

2012.09.02
XML
カテゴリ:.1次メモ
 小さな少女を囲っている。愛したいし愛されたいから。外の世界なんて見せないであたしだけを見て、あたしだけで世界を満たして。その目が死んでいること、異常な関係に侵されていること、外の世界を知ったらきっともう戻ってこない事。全て知っているけれど。

 ふわふわとした幼い少女。髪は肩の上で切りそろえ、服はいつもあたしとお揃い。印象は正反対。あたしがきつい女上司なら、この子は可愛い新入社員。数年前のセーラー服なら、あたしが強気な委員長ならこの子は優しい手芸部員、といった感じ。

「おかえりなさい、すわり」
「ただいま、わらこ」

 彼女が居るから私は外で強く居られる。


 ---けれど、それは長くは続かなかった。
「……わらこ?」

 家に帰ると異臭がした。その発生源は明らかに大好きな彼女だった。

「……そとに、だして。でないとわたし、すわりを、呪ってしまう」
「え?……いいよ?」
「え?」


 それ以来私は家の中では極力強くあろうとしている。わらこに心配させないように。
 そして、彼女が居るから私は外でいくら自分が弱くても、生きていけるのだ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016.07.17 02:57:51
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.