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「そういえば「リーダーさん「お連れさんのこと心配そうに「してらしたわね」
「ええ、そうですね」 片付ける途中、また唐突に話し掛けられた。 「なんだかうちの「そうねうちもよ「孫みたいよね「心配の仕方」 「えっ…」 その喩えは、あんまり、ではないだろうか。 「年上に対する扱い「としてはお母さんへの扱いと「レディへの扱いと「おばあちゃんへの扱いどれかなのよ」 「いや、それは……」 「いや、それはちょっと極端すぎねえか」 台詞とられた。 いや、厳密に言えば同じことを言おうとしただけなのだから被ったというべきか。 「なんか、その、年上のお姉さんとのなんのそのとか、先輩とか、先住民とか、そういうのあるだろ」 エロゲと世界史の教科書を連想した俺は駄目人間だろうか。 「やーねぇ都合良い「やーねぇ破廉恥な「やーねぇ原始的な「やーねぇ男は」 「なんでそうなるんだよ!?」 うわ、また突っ込みがヒートアップしてる。 大分前から突っ込みのヒートアップには定評があったが、この4人と接していると余計にかっかしてしまうようだ。 まるで悪戯好きなお婆ちゃんといいように遊ばれる孫。 「もう、いいだろう。あんまり遊んでいると割れてしまう」 木鈴が真面目にやっているのに、年上の人達は全くという気持ちを込めて言うと、突っ込みがしゅんとする。4人は「は「い「は「い」と相変わらずおちゃらけた様子で居る。 結局飯は全部綺麗に食べられた。高橋先生と、その体育座りに付き合ったリーダーは唯一ぐきゅるるとお腹を鳴らしているが、原型が分からないまで加工されたものですら食べられなかった高橋先生と、ここで食べたら裏切り者になってしまうという覚悟を目に秘めたリーダーにこれ以上薦めるわけにはいかない。 「もう一人のリーダーが居たら、もう少しうまく、調停できていたのだろうか」 「そうとも限らないだろう」 誰にともなくつぶやいた言葉は、観察に拾われた。 「あいつも俺達も、基礎の力はそう変わるわけじゃない。料理のスキルも、コミュニケーション能力も。あいつらは表面的にできるように振る舞っているだけだし、俺達はそれに甘えているだけだ」 「お、おう」 表面的にという言い方はどうかと思ったが、それは的を得ているようにも思えた。 「まあ、人間は2-3日くらいなら水だけでどうにか動ける。長ければ一週間は持つ。それまでに何か解決策を探そう。そして、その合間にも、あいつを探しに行こう。少し居ないのはどうにかなるけれど、長期間居ないと、さすがに、堪えることがあるからな」 こいつとクールが話していた時といえば、妙な化学用語の応酬くらいな気もするが……まあ、でもクールは今思い出すと、リーダーがまだ一人だった時よりも格段に、「補佐」足ろうとしていたような気が、する。観察だけでなく、俺、突っ込みに対しても、「リーダー」のままだったら聞かないようなことを尋ねてきていて、俺はそれが少し嬉しかった。たとえ、上半身ー今のリーダーに、それを伝える為や。自分自身のアイデンティティを確立するための手段だったとしても。 まとめ役の負荷が少なくなったからこそ、その隙間に新たな力の根を育ませようとするような、クールはそんな奴だった。 「……だな」 暫く離れて、また再会したら、あいつはもっと俺達から離れた知識を吸収して、新たな自分を、自分の在り方を作り上げているのだろうか。 それが面白そうでもあり、 また少し寂しくもあった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.08.03 02:05:09
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