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テーマ:二次創作小説(953)
カテゴリ:◎2次裏漫
食える味付けだが、生理的に受け付けない食べ物がある。
苦手な味付けだが、飢えていれば食べられるものがある。 父にとっての前者とは俺で、俺にとっての後者は父だった。 俺の色は母に似ているらしい。 髪の色と睫毛が、母の目の色に似ていて、それ以外の全てが父に似ている、それが俺らしい。 好いた女の一部を継いでいる、だからこそ俺はまだ、父の「家族」にぎりぎり食い込めている。 守るものがないと駄目な人間で、守る為なら何でもするのが父だ。 父がずっと守ってきた母は病弱で、俺を産んで死んだ。 急いで駆け付けた祖父は事故に巻き込まれて歩けなくなった。 父は俺が憎い筈だ。 俺しか守る相手が居ないから、仕方なく俺を育て守っているだけだ。 父の為に何度も俺は家出した。 嫌いな同級生のもとに身を隠したりもしたし、好きな担任の先生に事情を話し泣きついたこともある。 それでも父は何故か俺がどこに居るか分かってしまう。 怒っても喚いても殴りかかっても、いつも父は俺を容易く淡々と抑え込んでしまう。 「お前がどうなろうと、どこに居て何をしていようと、親は親、子は子だ」 その言葉を父は繰り返す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.06.21 17:10:28
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