1450027 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Laub🍃

Laub🍃

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

プロフィール

長押 綴

長押 綴

カレンダー

2019.04.30
XML
カテゴリ:◎2次裏漫
食える味付けだが、生理的に受け付けない食べ物がある。
苦手な味付けだが、飢えていれば食べられるものがある。

父にとっての前者とは俺で、俺にとっての後者は父だった。

俺の色は母に似ているらしい。
髪の色と睫毛が、母の目の色に似ていて、それ以外の全てが父に似ている、それが俺らしい。
好いた女の一部を継いでいる、だからこそ俺はまだ、父の「家族」にぎりぎり食い込めている。

守るものがないと駄目な人間で、守る為なら何でもするのが父だ。
父がずっと守ってきた母は病弱で、俺を産んで死んだ。
急いで駆け付けた祖父は事故に巻き込まれて歩けなくなった。

父は俺が憎い筈だ。
俺しか守る相手が居ないから、仕方なく俺を育て守っているだけだ。



父の為に何度も俺は家出した。
嫌いな同級生のもとに身を隠したりもしたし、好きな担任の先生に事情を話し泣きついたこともある。
それでも父は何故か俺がどこに居るか分かってしまう。

怒っても喚いても殴りかかっても、いつも父は俺を容易く淡々と抑え込んでしまう。


「お前がどうなろうと、どこに居て何をしていようと、親は親、子は子だ」


その言葉を父は繰り返す。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2019.06.21 17:10:28
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.