カテゴリ:ウィルコム
→関連記事:ウィルコムが事前協議型で会社更生法適用開始 再生支援機構による支援が正式決定。XGP事業は譲渡 ウィルコム再建、やっと一歩…意見対立、支援決定に遅れ ウィルコムの再建案が発表された。 PHSとXGPを別会社とし、PHSは投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(AP)が100%出資し、XGPはAPとSoftbankが1/3出資し、残り1/3を新たに出資を募るとの話だったが、APはさらに20%を出資して、実権はAPが握る形になるようだ(ただ、将来はSoftbankに売却するつもりらしい)。 再建案で驚いたのは、基地局をXGP社がPHS社から有償譲渡を受け、今後の基地局展開をXGP社が行うというスキームで、これには驚いた。 当然、現状、XPGの基地局より、PHSの基地局が圧倒的に多いのだから、基地局はPHS社が持ち、XGP社がお金を払って借りる形になるとばかり予想していたからだ。 ただ、よく読むと納得できる面もある。 PHSの基地局はこれ以上は増えないとしたら、既存の基地局をXGP対応に変えていく作業が主体であり、それなら基地局はXGP社が持つ方が都合がいい。 XGP社が基地局を所有すれば、バックボーンをSoftbank自社のものに切り替え、3Gと共有化するだろう。これにより、ウィルコムはコストが削減でき、Softbankもバックボーンの使用料収入で潤うメリットがある。 また、バックボーンが共通化されることで、Softbank-Willcom間についても、無料通話が実現される可能性も出てくるだろう。 だから、基地局をXGP社側が持つことには、一定の合理性はあるだろう。 もちろん、Softbankの本音としては、(実際には極めて限られた場所ではあるだろうが)一部の基地局は、Softbank 3Gの基地局を追加できるようにしてゆき、ゆくゆくはXPG社を子会社化したときに、一体化を進めたいのだろうな。 また、「ソフトバンクは、業務委託契約を締結し、ネットワークの効率化、およびカスタマーサポート運営などについて、ウィルコムのPHS事業におけるコスト削減に協力をする。」とのことなので、ウィルコム独自のプラザやカウンターを閉じてしまって、ソフトバンクショップで、ウィルコムPHSやXGPを売ったり、サポートするつもりなのかもしれない。まあ、確かに、販売やサポートの効率は上がるだろうな。 ただ、こういう風にPHSもソフトバンクに取り込まれてしまうと、そもそもXGP社とPHS社の資本関係はないため、APが、将来XGPの株をSoftbankに売却してしまえば、PHS社は、優良顧客を吸い取られた上で、Softbankに切り捨てられる可能性もあるだろう。 その意味で、PHS社の将来は暗い。 今回の再建案を読む限り、PHS社は、将来XGP社と再び一体化、あるいは、親子会社関係になる可能性は薄く、市場が縮小すれば解散(あるいは特定市場向けだけに当面存続)、XGPはSoftbankの通信専用サービスとして生き残る可能性は高まった気がする。 もっとも、PHS社の400万人のユーザーを急にSoftbankに移行することなど、Softbank自身、逆立ちをしてもできないし、XGP社の株をAP社から買い取るタイミングも、XGP事業が黒字化の目処が立たないと難しいだろうから、おそらく最低2~3年は電波を出し続けることになるだろう。 Softbankは、今月末で2Gサービスが止まるが、これに対し、Softbankがどの程度誠実な対処をし、混乱を抑えられるかで、PHS終了時の対処も見えてくるだろうな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年03月18日 00時46分51秒
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