カテゴリ:BOOKS NNN
whatsman@nnn
こないだ読んだ本の話。 モンスター@百田尚樹 永遠の0、で一躍名をなした 元探偵ナイトスクープの構成作家が 執筆した小説。 心が痛む大作。 見るに耐えないほど不細工な女の悲しい物語。 ざっくり書くと、 その不細工な女が、 大人になり、 整形し、 どんどん美人になり、 名を変え、生まれ育った街に帰る。 徹底的に取材したであろう そのディテールが素晴らしく、 これ、マジなんやろうな、って思わせてくる。 不細工に生まれた女性における 暴力的なまでに不合理で厳しい現実。 この小説の主人公ほどではないにしても、 美人が得をし、不細工が損をする。 損をするというか、虐げられる。 まぁ、金持ちに生まれた、 勉強が異常にできる、 足がクソ早い、 頭の回転がクソ早い、 みたいなものも すべてが天賦なものなわけで、 それと同じといえば同じなんだが、 どうにも可哀想に思える。 可哀想、などと思うこと自体が問題、 みたいな意見もあると思うが、 そう思ってしまうのは俺の心の問題なので仕方ない。 で、とにもかくにも、 心が痛むのが、 ブス時代の描写。 歩いているだけで 石を投げられるレベル。 当然、美人になっていく過程においても ブス時代との比較され語られる。 自分が不細工であることに気が付く幼少期。 この時点で相当に心が痛い。 特に子どもは容赦無い。 ストレートにものをいう。 直球勝負が半端ねえ。 成長するにして、それは決定的になる。 もう恋愛は諦めよう、 恋愛は私には円のない話、 と思い込もうとする主人公。 そうはいっても思春期の乙女。 どうしたって恋はする。 憧れの芸能人や先輩、 好きな人もできる。 そのどれもが悲惨な末路をたどる。 心は常にボコボコに打ちのめされる。 何をしても、 その主体の容姿によって 受け取られ方が変わる。 整形に没頭し始める主人公。 とにかくここは、 冒頭に書いたとおり、 ディテールが素晴らしい。 現実にそう考えて、 整形している人がおるんやろうと思わざる得ないほど、 とにかくリアリティが半端ない描写。 美人になった主人公に オトコが言い寄ってくる。 ここの描写もマジで面白い。 とにかく、どうすれば 男が寄ってくるか、 また同姓から敬意を得られるか、 そのあたりをひたすら分析し、 対処法を研究し、実践していく。 徹底した整形手術はもちろんのこと、 話し方の講習会にいったり、 メイクの講習にいったり、 自分の顔をビデオに撮りまくり、 どの角度が一番いいかを研究したり、 男をタイプ別に分類し、 その対処法を分析したりなどなど。 言い寄ってくる男への分析。 男であれば、耳が痛い話が次々にあげられる。 女性を口説くときに、 何の話をして、 どういう反応を期待するか。 その辺りを徹底的に分析し、 手のひらの上で躍らせるSKILLを身につける。 同姓を惹きつけるにはどうしたらいいかも 同様に考える。 何も持っていなかった者が、 自分が勝ち上がるために 何をすべきなのかを 徹底的に考え、 努力を惜しまず実践していく。 そして、現実に 自分が望んだ環境を手に入れる。 このへんは完全にHIPHOP。 とまあ、 HIPHOP的な力強さも感じながらも、 やはり、女性がその容姿により どれだけ優遇され、 また、冷遇されるか、につきる。 最終的には 幸せとはなにか、 みたいなところもあるんだろうが、 その辺を別に俺はこの本に求めてない。 男でよかった。 男は顔があれでもどうにかなる。 小学生の頃は 足が速い奴がモテタし、 中学、高校では、 ちょっと不良っぽいのがモテタし、 社会に出れば、 金を持ってる奴がモテる。 バンドのボーカルをすればモテる、 とかもある。 このへんはこれまでもモテ論で書いてきたが、 容姿をカバーできる要素がある。 この俺も彼女もいたし、 しっかりと結婚もできるとる。 が、女性の場合はマジで厳しい。 容姿が占める割合がクソ高い。 この本の中では、 ほぼ10割くらいの勢いでかかれとる。 おれはドンドン整形すればいいと思う。 まるで否定はせん。 例えば生まれながらに 足が悪い人が手術する、とか 目が悪い人が手術する、とかと、 なんら変わらんと思う。 小さいところで言えば歯の矯正とかも同じハズ。 高岡早紀が主演で映画化もされているらしいが、 美人になった後が高岡早紀ってのはインパクトが弱い。 他の映画のように、沢尻エリカとかのほうがぴったりかも。 38歳という設定からしたらちょっと若いすぎるか。 まぁそんなことはどうでもいい。 とにかく 見た目で扱いを変えないことを肝に銘じた。 好き嫌いは好みの問題で、 それは心のなかでひっそりと思うだけで、 表に絶対出してはならない。 心の傷は癒えないもの。 ではまた。 PEACE。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014年08月25日 00時03分51秒
コメント(0) | コメントを書く |
|