カテゴリ:子育て
相方の勤める児童養護施設が主催し、親子サークルが共催した
2月24日、3月3日と二回連続での子育て支援セミナー 『子どものしつけと自尊心の育て方』が無事に終了しました。 去年と同じ先生ですが、今年は二回に渡っての開催で、 ワークショップ(実習)も取り入れました。 延べ人数は、聴講者が70人ほど、託児が50人ほどでした。 私にとっても勉強になる内容だったので、覚書を日記に残しておきます。 まず、発達段階の話 子どもの発達は直線的に伸びていくのではなく、階段を上るように段階的に成長します。 その時期は、0~2歳、2~4歳、4歳~6歳、学童期、思春期、青年期・・・ 各段階を上がるためには、周囲の大人が上手くかかわるかどうかで、 その後の成長に影響がでるのです。 <0~2歳> 0~2歳の時期の子どもの成長にとって大切なことは おむつが濡れた、お腹がすいた、暑い、寒い、寂しい、などの不快な状態をすぐに大人が解消してあげること。 つまり基本的な身の回りの世話をしてあげること。 それをするのは母親に限ることではなく、誰であっても構わない、どうかお母さんだけで子育てをしようとしないでくださいという点を先生は強調していました。 母親だけで子育てをする文化はたかだか昭和30年代からのもので、それ以前の日本にはなかった、という話もありました。 こういう基本的なお世話がされている子どもは 「自分はここにいていいんだ」という自己肯定感を持ち、それが 周りへの信頼、自分への信頼=自信につながります。 この時期、泣いて要求しても何も変わらないことを悟った子どもは、要求や自己主張をしなくなるそうです。そういう子は、例えば親が「パチンコ行ってくるから一人で留守番してなさい」とか「離婚するから」とか言っても黙って聞き入れることが多いそうです。 逆に「スイミング習いなさい」「ピアノに通いなさい」なんて押し付けられても素直に聞くような子も、自己主張できないという意味では同じで、「うちの子は反抗期がなかった」とか「聞き分けがいい」とかっていう子ほど、思春期になって手に負えなくなることがあるそうです。 この話を聞きながら、抱き癖が付くから泣かせておく、とか、赤ん坊が泣いてるのに授乳は時間通りにしかやらない、とか、一時期主流で今でも根強く広まっている育児方法の影響が心配になりました。 <2~4歳> 次に、それまで十分にお世話されてきた子は、「自分はなんでもできる」という万能感の塊になり、大人が困ることをしたり、自己主張するようになって、「第一次反抗期」になります。 そういう2~4歳の時期に大切なのが、しつけ。「ダメなことはダメ」と教え、きちんと向き合うことで、子どもは折り合いの付け方を学ぶことができます。 その教え方は、根気強く言って聞かせる、こと。 子どもの叱り方も、一本調子や同じ怒り方では効果がないとのこと。 (叱り方については改めて書きます。) 子どもの自主性を尊重せよ、好きなようにさせよ、という考えが10年ほど前に流行ったが、そういう育てられ方をした子どもは、折り合いの付け方を知らないまま、自分の欲求を通すために反社会的な行為をするようになってしまう。という事例を聞きました。 <4~6歳> 次の段階は4~6歳。この時期の大人のかかわり方は、善悪の判断をつけさせること、それから役割を与えること。 善悪の判断というのは難しい問題についてではなくて、二者択一で行動を選択させるということです。それが自己決定能力を高めることにつながります。 たとえば子どもが中々部屋の片づけをしない場合、部屋の片づけをするのと、トイレを掃除するのとどっちがいいか、二者択一で選ばせる方法があるとのこと。やらせたいこと、よりも、難しいこと嫌がるだろうことを組み合わせるのがコツで、選んだ方を実行したら、十分に誉めてあげること。実行しなかったら、「約束したことをどうしてやらない」と叱る。 シュタイナー教育的には、7歳前の子どもには、自分で選ばせるのはよくない、親が正しいものを指示する、与えるだけで十分、という考えなのですが、実際には思考力も付いて口も達者になってくる4歳以上に対して、理由も言わずに親の言うとおりにさせようというのは難しいし、すこし違和感を感じていたので、こういう方法で子どもに行動を促すのは理にかなってると思います。 役割を与える、というのは家の中のお手伝いをさせるということです。 お手伝いとは、毎日、嫌でもやらなければ家族が困るようなことを指します。 一番のお薦めは、食事のときの箸並べだそうです。 箸がなければみんなが食べられない、という状況が一目瞭然だし、料理によって並べるものがスプーンになったりナイフとフォークになったり、観察力も付く、というのがお薦めの理由でした。 そうした役割を担うことで「自分は必要とされている」と感じることができます。 自殺する老人は優しい家族と同居のケースが多く、家の中で何もすることがなく役割を奪われた結果、居場所がない、自分は必要ない人間だと感じてしまうらしいです。 会社でも、仕事を与えずに退職させようとするリストラ方法がありますが、居場所というのは空間のことではなく、集団の中での役割なんだ、という話はとても納得のいくものでした。 暴走族やヤクザの世界ではどんな下っ端にも役割があり、家で居場所がないという少年少女は引きつけられるそうです。 小学生になってから急にお手伝いをさせようとしても素直に聞かないときは、 (1)難しいこと、嫌なことと組み合わせて、二つから選ばせる。(例:トイレ掃除か部屋の片付けか) (2)儀式的に言いつける。(例:おじいちゃんの遺言とか我が家の家訓、等々で、「10歳になったら○○をすることになっている) 役割とは、相手によって様々に立場を変えるものでもあります。 たとえば一人の人間でも、生徒に対しては先生、親に対しては子ども、子どもに対しては親、配偶者に対しては夫、兄に対しては弟、弟に対しては兄、、、、、など。 相手によって話し方や態度が変わり、家族が多いほど様々な役割を持っているが、核家族でしかも一人っ子だったりすると、なかなか役割の変化を身につける機会がすくないので、親は工夫する必要があって、ごっこ遊びを沢山すると良いそうです。 最近は、役割をわきまえない、相手との関係の区別をつけない子が増えてきている、という話です。 まだ講演内容の半分も書いていませんが続きは後日・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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