1007957 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

猫並生活

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Calendar

2011.12.05
XML
カテゴリ:観劇日記
今月最初の歌舞伎は、中村座の夜の部。

菊之助が出てるから、音羽会にお願いして松席を取っているけれど、だからこそ桜席にも初挑戦する予定の今月。ま、最初と最後を松席で、間に桜を挟むんだけど、だから今日は最初の松席。

松席に座るにあたっては、着物はナシ。ね。

で、気楽な格好で見る最初の演目は『葛の葉』。

中村座の演目と出演者だけが発表になった時点で、夜の部には女方の大きな役が2つあったので、どっちかが菊之助だよねって思ってた私。ビジュアル的には墨染で見たいけど、演目としては葛の葉キツネにも興味がある…結果、墨染で、半分残念だったのだけども、葛の葉をするのが扇雀だったので、少し興味が湧いたのも事実。

マイベスト葛の葉は、ダントツに藤十郎です。

次がジャッキーさん。歌右衛門と芝翫は覚えてなくて、玉三郎は見たことがない(もしかしてやってない?やってる?)し、福助は遠征ばかりな感じで見る機会がない。直近で覚えているのは魁春と芝雀で…この二人は最後のお習字でガックリした記憶が鮮明(爆)二人とも、それぞれ師匠のイメージそのままで途中まで良かったんだけど、やっぱり最後がね、狐の霊力を感じないだもん。

藤十郎の、そのまま表装して掛け軸にしたいあのお習字をもう一度見たいワタクシ。親ほどじゃないのは想像つくけど、それでも扇雀の葛の葉なんて、ちょっと期待しちゃうじゃない。東京マラソン完走するアスリートだもん、ケレンだって得意でしょう?!

…で、うーん、魁春・芝雀と同じく、途中まではいい感じ。お習字は、ちょっと苦しい。でもガックリくるほどではない、感じ。変なところで墨を継ぐし、曲書きはスピード感に欠けるし、出来上がりもイマイチだけど、でも、この次これをする時には期待できるかもって思うくらいには。

キツネ手で墨をするあたり丁寧だし、最後の立ち回りも面白かったし。

それと、『葛の葉』の拾いモノは松也くんの保名。実は全然期待してなかったんですが(いや、当然七之助あたりがするもんだとばかり思ってました、ゴメンネ)予想外に良かったし、最後の別れの場面では泣きそうになったくらい。へー、やっぱり大きな舞台で大きな役をやると、目に見えて伸びるもんかな?先月の修理之助よりもいい。今月の保名は好きです。

『葛の葉』を気持ちよく終わって、次は夜のワタクシ的メイン『関の扉』。でも菊之助は後半にならないと出てこないから、出だしは気楽…ゆえに集中力が分散する(爆)あ、常磐津のセンセが出てる、とか。

勘太郎の関兵衛って、化粧のせいか表情のせいか、なんだか最初からはっきり「私は悪いヤツです」って感じで…好きじゃないっていうか、不慣れっていうか。勘三郎もこんなだっけか、いや、違うよなぁ、どうだろう。顔立ちの微妙な違いかなぁ。

そんな風に見ちゃってるから、小町と宗貞の恋の話のところに絡むと、なんだか妙にエロオヤジ…悪い悪いエロオヤジ…覗いていそうなエロオヤジ…

飽きちゃいそうになった頃に、やっと墨染登場。松席で見るのは、夜はこれきりだから、今日は桜の木の位置が妙に気になりまして。次は上手の桜席を取ってるため、屋台で見切れるかなってちょっと心配。どうでしょうね。ただ、最後に二段に上がって決まるところを優先すると、やっぱり下手より上手の桜よねぇって思ったもんだから。

でも、花道も使ってたっぷり見せてくれるからいいか。先月の道成寺に続いて枝垂れ桜の柄の衣装で、なんだかとってもデジャビュだな。二か月続けて桜つながり?ああそうか、先月の昼にも吉野山の桜あり、今月の昼はなんと桜丸か(爆)桜の中の菊で暮れるんですねぇ、今年は。

と…だからこそ、夜のメインはこれで、後は気を抜いて見られると思っていたのですが、なんとなんと、次の『松浦の太鼓』での菊之助の方が堪能できたかもしれません。

声が。

もちろん、ビジュアルは墨染ですけどね、菊之助のあの声は、大高源吾のセリフで楽しめたんですよね、一段とよく。

まず最初の売り声がいい。すごーくいい。新内みたい、なんていったらへんかしらん。

そして最後の、大願成就のご報告も素敵。こういう風に、声を張るところも年に何度か見たい(聞きたい)よねぇ。そのあたり、念頭になかったのでとっても得した気分。

もちろん勘三郎演じる上機嫌の殿様を見て、しかも忠臣蔵で終われる構成は、いかにも12月らしくてそれだけでも素敵だと思うけれど。

ああ、そういえば、今日は今日しか見えないであろう、お縫ちゃんのお点前もガン見。そうそう、中村屋の時は、煎茶点前なんですよね、これ。吉右衛門だと抹茶っていうか、お薄?

以前、そのお薄を点てるのに、お縫・芝雀が胸の高さまでお茶碗を持ち上げて、その高さで茶筅でシャカシャカしてるのを見てびっくりし日記に書いたところ、それを見て「松浦鎮信は茶道鎮信流の祖であり、その点前は鎮信流のモノ」と教えてくださった方がいらっしゃいました。おかげで、役を務めるために鎮信流のお稽古をした芝雀さんの図っていうニュースも見られたっけ。

じゃぁ、なんで中村屋だと煎茶点前になるのかな。松浦候が茶道流派の祖なら、座敷で点てるお茶は煎茶より抹茶がアタリマエのような気もするけど、誰かが考案(解釈?)した型なのかな。型なら、こちらにはこちらの理屈があるんだろうな、きっと。

ともあれ、お縫・七之助の所作が丁寧で、指先あっつーい感じも可愛くて、ガン見しただけのことはありました(笑)この次、桜席からじゃ見えないよな、きっと(爆)

それから…今日は、席に座った瞬間、背後からサムサラが結構な濃度で漂ってきたので思わず振りむいちゃいましたが、そこには派手なお帽子にファーで着飾ったマダムあり。しかし、マダムなのは外見だけ。だって、『松浦の太鼓』でのリアクションが…オバチャン!

殿様が、子葉の付け句を聞き、さらに山鹿流陣太鼓を聴いて、いよいよ「おお」となるところのあたりから…

ほら、気がつくわよ
ほら、気がついた、わかったわかった
ほらほら、ねー
ほら、ね?ね?わかったのよ
ほら、ほらほらほらほらっ

喧しい…

コドモじゃない限り、平均的ニッポン人なら誰でもこのあたりの展開は判ってるって。それを承知していても、発表し周知しないと気が済まないあなたは、自宅でもテレビを見ながらそういうリアクションしてるでしょう?

サムサラと「ほらほら」さえなかったら、もっと楽しめたに違いない!
いや、恨むまい。そんなもんに邪魔されて、目の前に集中できなかった私が悪い。
ま、舞台上に注目したいもんが少なかったタイミングだったせいもあるからな、仕方ないな。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.12.06 00:00:00
コメント(6) | コメントを書く
[観劇日記] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.